──「たそがれステイツ」で暮らす皆さんとの撮影エピソードを聞かせてください。

北村:なんかいいですよね。僕は草刈正雄さんと阿川佐和子さんと共演できて、すごくうれしいです。

『小さい頃は、神様がいて』第1話より

仲間:皆さんすごく面白いですね。

北村:最初に僕ら2人と、小野花梨さん、石井杏奈さん、草刈さん、阿川さん、近藤華さんで本読みをしたのですが、そのときから、比べようのない3世帯のそれぞれの良さが出ていて、すごくいいなと思っていました。同じ世代の家族だったら、年収の違いなどを気にしてしまうところもあったでしょうけど、一線を退かれた熟年のご夫婦と、同性のカップルと、普通の家族ですからそういうこともなくて。

あと、これはマネージャー的な立場で言いますが、小野さんと石井さんにとってこの作品はすごくチャンスだと思うんです。

仲間:マネージャーですね(笑)。

『小さい頃は、神様がいて』第1話より

北村:彼女たちはもともと仲が良かったみたいで、雰囲気がとってもいいんです。この作品がきっと彼女たちのなかで大きな存在になるんじゃないかなって。皆さんの様子を見ているのも楽しいです。

仲間:先日、みんなで集まるシーンを撮影しましたが、もう…草刈さんが最高だなと思いました。草刈さん演じる慎一さんは、阿川さんが演じるさとこさんに頭が上がらない雰囲気なんですけど、憎めないムードメーカー的な愛らしさを持っていて。セリフ回しも独特ですし、ずっと見ていられる。本当にいい雰囲気の方々です。

北村有起哉の推しは「ゆず(近藤華)」仲間由紀恵は「渉さん」

──お2人の推しキャラはいますか?

北村:僕は、このドラマの本当の主人公はゆず(近藤)だと思っていて。きっと彼女が一番大変で複雑な心境だと思いますし、自分が視聴者だったら一番応援します。

二十歳の誕生日というめでたいはずの日が、両親のXデーになってしまうわけでしょう。彼女の心がどう動くのか、気になりますね。

仲間:私は、渉さんです。“約束の日”が来るわけですが、そこまでに何を考えて生きるのか、その後どうなっていくのか。「大丈夫かな?」という心配もありますけど、物語が進むにつれて(考えの)変化もあるでしょうから、楽しみでもあって、推しですね。

『小さい頃は、神様がいて』第1話より

北村:僕もあんって言えばよかったね(笑)。

仲間:そういうところですよ(笑)。

北村:なんで、ゆずって言っちゃったんだろう。あぁ…。

仲間:ふふ(笑)。娘だからいいんですよ。

最近、有起哉さんが渉化してきてるんです。この前、車に乗るシーン(第2話)を撮影していたのですが…撮影用の車ですから仕方ないんですけど、発進までの動作がいろいろ間違えていて(笑)。急いで発進させなきゃいけないのに、なかなか発進できなかったのが、本当に面白かったです。

北村:鍵が刺さらないし、シートベルトも出せなくて(笑)。それに、あんから「左OK」と言われて、左に曲がろうとするし。

仲間:右に曲がらなきゃいけないシーンだったんですよね(笑)。

北村:「え!?左OKって言ってくれてるから…」と混乱しちゃって(笑)。

仲間:「左から車は来てないから、右曲がれるよ」っていう意味だったんですけどね。もうずっと渉みたいな感じで、楽しいです(笑)。

──渉とあんに関して、「こういう人いるな」と思うポイントありますか?

北村:渉に関しては、結構自分と重なるところがあるなと感じています。「そんなつもりはなかった」「良かれと思ったんだけど」ということが、結局相手の邪魔になっているということもありますし。

ただ、何もしないよりは関わっているだけいいのかなと思うこともあるのですが。だって、何もせずに見ていたら、それはそれで怒られるでしょ?

仲間:怒りますね。「何してんの?」と思います(笑)。

北村:ははは(笑)。由紀恵ちゃんはどう?

仲間:日常のなかで、大したことじゃないし指摘するほどのことではないけどちょっと気になることって多いと思うんです。あんは、そういうことを口に出せるタイプで、視聴者の皆さんを代表して渉に言っていく役割かなと思っています。

共感とは少し違うかもしれませんが、相手にちゃんと思ったことを伝えられる人はすごいなと思っていて。私自身はそれが苦手なので、あんから学んでいきたいなと思っています。

『小さい頃は、神様がいて』第1話より

──最後にドラマを楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

北村:くすくすと思わず笑ったり、笑っていたと思ったらほろっときたり。そんな現象を視聴者の皆さんにお届けできるような、とても温かいドラマになっております。この季節にピッタリな、落ち着いた作品ですので、登場人物たちに共感しながらご覧ください。

仲間:このドラマはこの夫婦を中心にした、3つの家族の物語です。それぞれが事情を抱えながら、自信を持って「こんなふうに生きていきたい」と思う道を見つけることができるのか。そこは一つの見どころかなと思っています。その中で、19年前に離婚をする約束をしていた小倉夫婦がどんな生き方を選ぶのか、どんな道を見つけていくのかを楽しみにしていてください。

そして今回、松任谷由実さんが主題歌『天までとどけ』を書きおろしてくださっています。これは本当に名曲で。“離婚”という終わりの日に向かっている我々の立場で聴くと、泣けてくるいい曲です。主題歌とともに、ドラマを楽しんでいただけたらうれしいです。

北村:素晴らしいコメント!ありがとうございます。

仲間:ありがとうございます(笑)。