──実際にセリフを発して「こういう役だったのか」と改めて気づいたことがあれば聞かせてください。

北村:渉は本当にとぼけたやつだなと、セリフを言いながら、体を動かしながら思っています。そそっかしいのか、おっちょこちょいなのか…。ただ、「今の発言はまずかったかな」とか、そういうことを思っていないタイプなので、あまり考えないようにしていて。わが道を行く感じですね。

──仲間さんは、あんについて気づいたことはありますか?

『小さい頃は、神様がいて』第1話より

仲間:もともとしっかりしているタイプだなと思っていたんですけど、渉と長年一緒にいたからなのかはわからないのですが、渉さんとのテンポがすごくいいんですよね。今はまだシリアスなシーンは少なく、コメディ要素の多いシーンを撮っているところですし、言い合っているとしても“じゃれ合い”のように見えるといいな、と思いながら撮影しています。

なので、ちょっととぼけた部分もある人だなと感じていて。最初は「渉さんって、かなり変わってるな」と思っていたんです。でも実は、あんも若干変わっていて、だからこそ渉と合うんだなと、撮影をしながら感じています。

12年前の共演作品の恨みがここで果たされる!?北村有起哉の発言に仲間由紀恵「因果じゃないですよ!」

──お2人は、テレビ朝日開局55周年記念作品『ドラマSP 上意討ち~拝領妻始末』以来、12年ぶりの共演です。久しぶりに共演した感想を聞かせてください。

北村:前回共演したとき、僕は作品のなかでかなり悪い役だったんですよね。由紀恵ちゃんは、主人公の相手役で、僕は彼女をいじめ倒して…。

仲間:厳しい方でしたね。

北村:そのときの思いが巡り巡って今…本当に因果応報だなと思うんです。

仲間:全然、因果じゃないですよ!あのときの恨みがこのドラマにつながってると思っていたんですか(笑)。

北村:ははは(笑)。

仲間:その前回の共演は、このドラマとはまったく違う温度感の作品でしたし、生きるか死ぬかの時代のお話でしたから。現場で有起哉さんとおしゃべりした記憶がないくらい、すごく緊張感のある現場だったなという思い出です。

北村:お話してないかもしれない。

仲間:今回は、撮影の合間にたくさんおしゃべりをしていて。本当に楽しい現場です(笑)。

──岡田惠和さんによる脚本の感想を聞かせてください。

北村:岡田さんは人と人とのつながりを意識されているな、と思っていて。同じマンションで暮らす3世帯のお話で、助け合う姿とかも描かれているのですが、かつては近所づきあいが当たり前だったけど、今はあまりない光景ですから、その違いを比較しているのかなと強く感じています。

『小さい頃は、神様がいて』第1話より

仲間:人と人との心の距離が近いですよね。今は同じマンションに住んでいても、隣に住んでいても、どこか警戒を怠ってはいけないような雰囲気があって。でも、劇中のマンション「たそがれステイツ」の住人は、警戒をしていないわけじゃないけど、なんとなく人のことを信じている人たちが集まっているというか。

個性的な人たちばかりですけど、みんな温かさを持っていることがわかるように描かれているなと感じています。

北村:このドラマから教わることはたくさんありますよ。僕、マンションの会合にもたまに出席するんですけど、エレベーターを修理しなければいけないってなったときに、1、2階の人にとってはあまり需要がなくても、6階とか7階の人にとっては重要なことだからと意見を出したりしていて。

仲間:隣人のことを考えていらっしゃるんですね。

北村:一つの建物にたくさんの家族が住むということは、いろいろな問題が起きるじゃないですか。ルールを破る人もいるし。でも強く指摘すると、それも問題になりますし。そういうことをいろいろ考えると、この作品に出てくるような、優しくて人当たりのいい人物になれたらいいなと思いますね。