外国人も含め日本で暮らす全ての人が対象となる「国勢調査」が9月20日からスタート。
国の最も重要な統計調査として5年に一度実施されていますが、
今問題となっているのが、国勢調査を装った詐欺。

村上誠一郎総務相:
調査員を装いメールから偽サイトに誘導したり、電話や訪問により個人情報を入手しようとするものが見受けられる。
総務大臣や各自治体が注意喚起を行う事態となっています。

『サン!シャイン』が管轄する総務省と現場の調査員を取材すると、住民から不信感を抱かれ苦悩する国勢調査員のリアルが見えてきました。
調査員を取材すると…見えてくる現代ならではの“苦労”

20日から全国の各世帯へ調査票の配布が始まった「国勢調査」。
家族構成や就業の状況、世帯の実態など17の項目があり、5年に一度、日本で暮らす全ての人を対象に行われ、調査結果によって災害時の「避難所の設置」や、「保育所や病院をどこに建てるのか」など、私たちの生活に直結する情報として活用されます。
『サン!シャイン』が都内で出会ったのは、今回初めて国勢調査員を務めるという70代の男性。

国勢調査員の男性(70代):
国政調査でやって参りました。調査員ですが、10月8日までに役所の方に回答書を提出していただきたい。
担当する家の、一軒一軒を訪問して、呼び鈴を押します。

国勢調査員の男性(70代):
(ポストの)中まで全部入れなくちゃいけない。
不在で直接渡せない場合は、ポストにすっぽり収まるように調査票を投函します。

国勢調査員の男性(70代):
出てこない。出かけちゃったのかな…。
日中いらっしゃらない人が多いので、大変です。いるかいないか確認するのがね。
男性によると対面を試みても、半数以下が留守だと話します。
こうした作業を繰り返し、男性は3日間で約160軒を回ったといいます。
もう一つ、調査を通じて男性が感じたというのが、住民の調査員に対する警戒心です。

国勢調査員の男性(70代):
最近は物騒な世の中だから、皆さん不審者と勘違いされる。本当に国勢調査員か? 詐欺じゃないか?(調査員証は)いくらでも偽造ができるとか。
要注意!「国勢調査」かたる“偽メール”が急増
実際に調査員を装った詐欺は十数年前からあったといいますが、今年特に増えているという手口“国勢調査を装った偽メール”だといいます。

総務統計局国政統計課 中村英昭課長:
国勢調査を装ったメールというのがかなり今増えて出回っている。

9月17日、ある男性のもとへ届いた一通のメール。
国勢調査を装うメールに「回答義務」や「記念品」などの文字が並び、偽サイトへ誘導する文面となっています。メールの内容を不審に思った男性は、総務省の担当課に確認したところ偽メールだと判明したため、被害に遭うことはなかったといいます。
メールを受け取った男性に話を聞くと…

「国勢調査に」を装う“偽メール”を受け取った男性:
今年あたりから新しくデジタルでこういうのができちゃったのかな?っていう気もしますので…、普段慣れてない(人)とかご年配の方とかだと(詐欺だと)分かりづらいんじゃないかな?と思う。
総務省はこうした国勢調査の案内をメールや電話などで行う事はないとホームページなどで警鐘を鳴らしています。
なぜ、今回こうした偽の詐欺メールが増えているのか?ジャーナリストの多田文明氏に聞きました。

詐欺・悪徳ジャーナリスト 多田文明氏:
高齢中高年の方でそんなにスマホを使い慣れてないんだけれども、(スマホを)持ってらっしゃる方というのが多いので(ターゲットになっている)。
電話がかかってきて、国勢調査だと言って個人情報を聞き出す。それが詐欺に使われる可能性。また実際に家に来て、国勢調査員だと騙って個人情報を盗もうとするということですね。
“偽物”に要注意…本物見分ける“ポイント”は
では、調査員が訪問してきた際、どのようにして本物かどうか見分ければいいのでしょうか。

総務省統計局国勢統計課 中村英昭課長:
「調査員証」が調査員であることを証明します。「国勢調査2025」というロゴが入ってるカバン。基本的にはこれを肩にかけて調査員が回っている。調査員からこの青色の封筒が配られますので…

「調査員証」「ロゴ入りカバン」「調査票」、この3つを確認することが大切だといいます。
“詐欺”も急増「国勢調査」…視聴者からの意見は

“詐欺”も急増する5年に一度の「国勢調査」について、視聴者からもさまざまな意見が寄せられました。
「用紙を訪問して渡すのはやめてほしい。アポ無しで突然訪問されると怖くて居留守使う。郵送にしてほしい」(40代)
「訪問にするから詐欺が真似て悪い事をするのでは?訪問をやめて郵送にするべき!」(50代男性)
訪問ではなく郵送にしてほしいという意見や…
「こんな世の中だから、必要無いと思う。詐欺の被害が増えそうです」(60代女性)
そもそも必要なのかという意見、
「我が家にも詐欺メールが来ました。 総務省の「国勢調査」担当に電話して確認したところ詐欺と判明しました。」(60代女性)
実際に“偽メール”が来たという人も。また
「国勢調査員をしているけど、怪しんで対面してくれないです。調査の方法を再考してほしいです。」(60代男性)
「訪問職員の方を疑ってしまうのも心苦しいです。」(80代以上男性)
調査員の意見や、調査員をおもんぱかる意見も。
5年に一度の「国勢調査」。回答は義務ですが、やり方の見直しが課題になっているのかもしれません。
(『サン!シャイン』 2025年9月23日放送より)