アジア太平洋放送連合(ABU)が、優れたテレビやラジオ番組などを表彰するABU賞の授賞式が、現地22日夜にトルコ・イスタンブールで開催されました。

このうち、「ABUの視点部門(2024年のテーマ「未来」)」で、世界を舞台に活躍する藍染め集団に密着取材したカンテレのドキュメンタリー番組『ザ・ドキュメント The indigo BUAISOUのつくるいろ』が、審査員賞を受賞。

ABU賞全体では、今年、テレビ182作品、ラジオ110作品、デジタルメディア50作品の計342作品の応募がありました。

審査員のコメント

4K技術を駆使して、彼らが生み出すユニークな「色」にスポットを当て、その技を視覚的に魅せる革新的な視点を提供している。「The indigo」は、個々の物語を通して世界的な問題を説明する作品だ: ストーリーは非常に感動的かつ素晴らしいもので、人として深く共感できるものだった。

近年の同賞での関西テレビ番組の受賞

2016年「テレビドキュメンタリー部門」

『京の摺師~パリに渡った浮世絵』:審査員賞

2022年「スポーツ部門」

4Kドキュメンタリー番組『希容の形』:最優秀賞

『ザ・ドキュメント The indigo BUAISOUのつくるいろ』

徳島県上板町で活動をする藍染集団「BUAISOU」。その工房には、世界の有名企業(スタジオジブリ・ナイキ・ジミーチュウ等)や著名人が訪れます。

彼らが評価される大きな理由のひとつは、自分たちで藍(植物)を育て“すくも”(染料)を作り、染めるという工程を一貫して行っているところにあります。

藍染め業界の常識は分業制。しかし、彼らはすべて自分たちで行い「BUAISOUのいろ」を作ることにこだわります。1年をかけて生まれる藍色が、触れた人の心をつかむのです。 

一方で、取材した2年間は彼らにとって試練の連続でした。代表・楮覚郎(かじ かくお)さんの相棒だった創立メンバーが退社。その後に採用した新卒社員の育成。ふりかかった経営危機。

職人と経営者の間で揺れる楮さんの葛藤と、長年の夢といえる特別なジーンズ制作の過程を追います。

放送:2024年3月29日(金)25時25分~

ディレクター:赤穂雄大   

撮影:樋口耕平   

編集:芳本武              

英語版:端崎優子   

プロデューサー:宮田輝美

(敬称略)

制作著作:カンテレ

※現在のところ、地上波での再放送および動画配信の予定はありません。