堀元アナの感想…「静かに伝えなくてもいい」

――富山で生まれ育った一人として、何か感じたことがあれば教えてください。
単純なこと言ってもいいですか?…私、毎日、通勤で庄川のそばを通るんですよ。まさに決壊したところを通っているんです。でも、私、ただの石だと思っていて。あと、周りは草がぼうぼうに生えているわけですよ。

――実は、フジテレビの近くにも関東大震災の石碑がありますが、普段お台場に来ているフジテレビ社員の人でも知らない人が大勢います。そんな、ひっそりと静かに歴史を伝えている石碑っていっぱいあるのかもしれませんね。
でも、もう静かに伝えなくてもいいかなとも思ってて。
訪ねてみて、こういう過去があったんだと興味深く思ったので。めぐってくれる人がもっと増えていって。で、めぐるとその過去の様子をもっと知りたいじゃないですか。だからもう最新の技術を生かしてQRコードをつけるとか、石に掘っちゃうとか。
そうすれば、先の世代の人もずっと見られるのかなと考えていました。
それこそ、伝承碑を訪れた人は、草むしりをするぐらいでも、守っていくことにつながるんじゃないかなと思います。
私の立場だったら、こうやって知ったことをまとめて伝えることしかできないですが。
アナウンサーができることは、こういう歴史があったということを、多くの人に向かって伝えることなんじゃないかなと思いました。
堀元アナの報告を聞いて
庄川洪水で起こったことを、伝承碑はもちろん、紙芝居や劇など多様な形で伝え、残そうとしてきた人たちがいることに、強く感銘を受けました。

「伝承碑は、歴史を静かに伝えるもの」…そんな認識に慣れてしまっていた私に、「静かに伝えなくてもいい」という視点をくれた堀元アナ。91年前の地域の災害を知り、取材を深めた上での力強い一言でした。
『災害遺構探訪記』では、これからも、地域の災害史を積極的に学び、お伝えしていきます。
(この記事は、富山テレビの協力を得て作成しました。 )