太陽と会う日は、嗅覚を失うタイムリミットの日。日下は、「あなたは人生最後に、なんの香りを味わいたいですか?」と雨に問いかけた。

待ち合わせ場所に少し遅れてやってくる太陽。するとそこに、司の車がやってきた。雨が誘ったという司がチケットを購入しに行った際、雨は太陽とのことを考え直すつもりはない、自分が好きなのは司だと太陽に伝える。

司と一緒に写真を撮ってはしゃいでいる雨に、太陽は高校生のときに乗れなかった観覧車に乗らないか、と誘った。しかし雨は、「観覧車は恋人たちのものだから」という高校時代の太陽の言葉を持ち出し、それを断る。

実は雨は、太陽に嫌われたい、と司に伝えて協力を頼んでいた。司と一緒にクルーズ船に乗った雨は、もう一つだけお願いがある、と言って、自分と付き合うふりをしてほしいと頼んだ。

雨は、太陽が作った花火を見ることも、一人前のパティシエになる夢も叶わないから、新しい夢を持つことにしたという。それは、太陽がたくさんの人を花火で幸せにする、という夢。雨の気持ちを察した司は、恋人役を務める代わりに、太陽と一緒に観覧車に乗ってほしいと返した。

クルーズ船を降りた司は、急な仕事の呼び出しが入ったと嘘をついて雨たちと別れる。

夜になり、観覧車近くのベンチに座る雨と太陽。そこで太陽は、くしゃみをした雨に上着をかけてやると、5分だけ待ってほしい、と言ってどこかに走って行く。雨は、花火の匂いがする太陽の上着を抱きしめて微笑んだ。

戻ってきた太陽は、雨にマーガレットの花束を渡し、一緒の観覧車に乗ってほしいと頼む。雨は、花に聞いてみてもいいか、と言って「乗らない」「乗る」と占い始めた。マーガレットの花びらはほとんどが奇数だと知っていて、結果は「乗らない」になるものと思っていた雨。だがもう1枚、最後に花びらが残っていた。