異例の猛暑となっている今年の6月。
都内でスーパー「アキダイ」を営む、秋葉弘道社長(56)によると、店で扱う野菜の価格に影響が出てきているといいます。

アキダイ 秋葉弘道社長:
この異常な暑さですね。
まず一番(影響が)出ているのは、ブロッコリーですね。これで1週間前は100円ちょっとだったのが、4割くらい上がっちゃった、198円。
非常に心配になってきているのがキャベツですね。産地の方でも最初からものが悪いものはかなり廃棄しているんですよ。

直近の1週間でブロッコリーの価格は2倍。この時期、平野部で栽培されていたものが、暑さでダメになってしまったことが影響しているといいます。

さらに、今まさに収穫期を迎えたキャベツも例年に比べできが悪く、6月末から価格が3割ほど上がる恐れがあるといいます。

アキダイ 秋葉弘道社長:
あともう1つ、トマトですね。トマトなんかも今はまだある程度、安いんですよ。ですけども、おそらく相場で言えば(今後)2倍になりますね。高温の影響っていうのを受けて。
コメの苗が食い荒らされる…さくらんぼが“ぐにゃぐにゃ”
6月の猛暑の影響は他にも…。

千葉県北東部にある東庄町のコメ農家・多田正吾さん。田んぼを見せてもらうと、この秋に収穫予定の稲が、ジャンボタニシによって食い荒らされていました。

最大8cmほどに成長するジャンボタニシ。田植え間もない小さな苗が好物ですが、例年は、暑くなる前に苗が成長するため、被害は少ないといいます。

しかし、今年は「6月の猛暑」でジャンボタニシが大繁殖。成長前の苗が食べられ、大きな被害が出ているのです。

コメ農家 多田正吾さん:
新しい芽を食べちゃうんですよね。田植えして、次の日に行って、(苗が)ないところもある。隣の田んぼだと半分なくなっているところもある。

一方、山形県東根市では、“さくらんぼの王様”と名高い高級さくらんぼの「佐藤錦」が被害を受けていました。

さくらんぼ農家 株式会社松栗 植松真二さん:
ぐにゃぐにゃですね。この辺ぐにゃぐにゃになちゃっているので捨てるしかないですね…。皮に張りがないので、中がぶゆんぶゆんに柔らかいですね。

黒く焼け、ブヨブヨになったさくらんぼ。手でつまんでも、まったく張りがありません。被害を避けるために遮光シートでハウスの天井を覆っていたものの、相当の量のさくらんぼに傷みが…。
例年は20t ほどある収穫量が、今年は4t くらいに減ってしまう可能性があるといいます。
さくらんぼ農家 植松真二さん:
去年(2024年)も過去最低だったんですけど、さらに去年の半分ぐらいの収穫量になってしまったんで。

山形県が発表した、最新のさくらんぼの収穫量調査によると、今年の収穫量は平年の7割ほどになる見通しで、さらに減る可能性があるということです。

さくらんぼ農家 植松真二さん:
冬から春にかけても、かなりさくらんぼの畑が伐採されてきたのを見ていて。今年だけでも相当の農家さんが引退しますね。
山形がさくらんぼの産地じゃなくなる日が、本当いつか来るんじゃないかなっていう…そんなふうに今、僕は、ちょっと心配していますね。
畜産にも影響…卵や乳製品の価格も高騰か?
コメや野菜、果物などの植物だけでなく、猛暑は動物にも大きな影響を与えていました。
福井県の養鶏場で撮影された、ぶよぶよのオレンジ色の物体。

一見、やわらなくなったビワのようにも見えますが、産み落とされたばかりの鶏の卵だといいます。(※栄養に問題ありませんが、規格外のため販売はしていません)

撮影された養鶏場では連日の猛暑で、鶏がエサを食べる量が減少。水ばかりを飲むため、殼がうすいぶよぶよの卵を産むようになってしまったといいます。

様々な野菜や食品などに被害を及ぼしている、異例の6月猛暑。
今後、さらに豚や乳牛、肉牛など家畜にも広く影響を及ぼすとみられており、乳製品も含めて様々な食品の価格が上昇する可能性が高いといいます。
影響がどこまで広がるのか、今後さらなる注意が必要です。
(『サン!シャイン』 2025年6月26日放送より)