ついに来週から本格的に市場に出回るとみられる、随意契約の備蓄米。
今回、備蓄米の随意契約に申し込んだ大手小売業者の仕事を請け負う、埼玉県の運送会社の倉庫では、備蓄米を販売店まで滞りなく配送できるよう、準備に追われていました。
株式会社G.R.TRANS 山際満 代表：
先日（随意契約に）手を挙げた19社の中だけでも10社近くは納品している店舗が見られたので、かなりの頻度でうちにお米の輸送依頼が来るのはと予想できます。
1店舗あたりに持っていく物量が倍にだったり、3倍に跳ね上がる感じです。1台でいけるところが2台になってしまったり、2t 車を4t 車にしたり、そういうふうな形で車両を色々やりくりしないと、おそらく配り切れない。
さらに、大型の精米機を所有する岐阜県の卸売り業者「ギフライス」には、国に随意契約を申し込んだ3社が、精米の依頼をしてきているといいます。
ギフライス 恩田喜弘 社長：
小泉さんの随意契約のお米だけを精米すれば、全然スピーディーに動くと思うんですけども、やはり色んな種類のお米もやっていかないといけないもので。
かなり仕事としてはハードになると思います。
玉木代表「動物のエサになる」発言 谷原章介「残念」
着々と「備蓄米」流通の準備が進む中、国会では随意契約を巡る問題で、小泉進次郎農水相に対し、立憲民主の野田佳彦代表、国民民主の玉木雄一郎代表、日本維新の会の前原誠司共同代表の野党の3党首が白熱した激論を交わしていました。
立憲民主党 野田佳彦代表：
（放出した備蓄米が）なかなか店頭に出てこなかったのは、袋詰めや精米の問題がやっぱりネックになっている部分があったんじゃないかと思うんです。
小泉進次郎農水相：
今回まず随契の対象として大手の小売さんを対象としたのは、まさに、スピーディーに店頭に並べることができる。この能力を持っているからだと。
国民民主党 玉木雄一郎代表：
今回、中小のスーパーに出すと言っておられるお米もですね、あと1年たったら実は「エサ米」で出す予定だったんですよ。1年たったら動物のエサになるようなものをですね、安く売りますったって、安く出ますよ、そりゃ。
小泉進次郎農水相：
まずは備蓄米で（価格を）1回落ちつかせていくことによって、生産者の皆さんも安心して営農が続けていけるような、適正な水準というものが、しっかりと冷静に消費者の皆さんも含めて議論できると。
国会の中で、国民民主の玉木代表から飛び出した「1年たったら動物のエサになるようなもの」発言。これから国民の食卓にならぶコメに対しての発言に、谷原章介キャスターは「残念だ」と話します。
MC谷原章介：
基本、備蓄米というのは、何か災害が起きた時に人間が食べられるように取っておいている、「人間が食べる用」のお米ですから、そういう発言は残念だなと思いましたし。
実際、備蓄米の中から「こども食堂」だったりとか、生活に困窮されている方に向けて無料配布されていたり。去年なんかだったらコメの不作で米菓、おせんべいだったり、そういう用のお米が少なくなったものに、入札で放出もされていたりもしますから、人間も十分食べられると僕は思っています。
作家 遙洋子氏：
討論ですから、批判の言葉を武器に挑みかかる構図は理解できるんですが、皆さん「小姑か！」とツッコミたくなるぐらいなんか、欠点を見つけて何か潰そうとしているように。「何そこで争ってるんだ！」と。
政治家の使命として、つらい時きつい時に希望を届けるっていう使命があるとしたら、その日本語の表現を使うことで、誰か幸せになりますか？とは問いたいですね。
きょうにも政府から受け渡し始まる
政府から小売業者などへ備蓄米の受け渡しが始まる中、アイリスグループでは、早くも5月29日から公式通販サイトでの予約販売開始予定だといいます。
これは、米袋は既存のパッケージを使用し、備蓄米とわかるシールを貼り対応。玄米の調達から精米・流通・販売まで自社完結が可能だからできることです。販売・発送は6月2日を予定しています。
江藤前大臣が放出した備蓄米はなかなか店頭に並ばない中、小泉農水相が随意契約で放出した備蓄米はなぜこれほど早く販売することができるのか？
戦略物流専門家の角井 亮一氏は…。
戦略物流専門家 角井 亮一氏：
簡単に言うと、流通段階を飛ばしたわけです。それまでは、精米業者や卸さんなどがあったのですが、流通業者にダイレクトに販売するというところで、ボトルネックを解消したと。
今は大手流通じゃないですか。これから（随意契約が）始まるのは、米穀店や中小スーパーになるんですけども、米穀店は精米機を持っていますが、備蓄米って結構大きなロットで運ぶんですよ、10t 車とか。それを小分けして、米穀店にちょっとずつ運ばなくてはいけないとなると、スピード感には差が出るのではないかと。
(『サン！シャイン』 2025年5月29日放送より)
