家治が十代将軍を継ぐことになり、倫子はその正室となるが、大奥はこれを心良く思わぬ者たちばかりだった。

その筆頭は、公家の正室は邪魔だと言い切る松島。京の頃より倫子に仕えるお品がいるにも関わらず、松島は倫子の付き人にお知保(森川葵)をつけると言う。

さらに、松島自身は大奥総取締の役につく。松島を大奥総取締に任じたのは家治。反対する家臣をよそに、家治は田沼も老中に取り立てていた。

松島から首尾良く行けば家治の側室に推薦すると言われたお知保の倫子への嫌がらせが始まる。

まずは、お品を納戸に閉じ込めて、家治の大奥初お目見えの時、倫子に粗末な衣装を着させて辱めた。

お品も見当たらず、我慢ならない倫子は幼馴染でほのかな想いを寄せていた久我信通(鈴木仁)に助けを求める文を出そうとする。だが、お知保に見つかってしまい、大奥法度で文を勝手に出すことは禁じられていると取り上げられてしまった。

そんな時、家治が倫子に御渡りになると報せが入る。大奥から逃げ出そうとするものの、お知保らに捕まった倫子は、仕方なく寝所に向かう。だが、やって来た家治は「そなたのような色気のないおなご、抱く気にならぬ」と1人で寝入ってしまった。