ナレーション収録を終えた黒木さんにインタビュー。2人を指導するオーナーシェフ・井上さんの印象や、「負けん気がモチベーションになっていた」という黒木さんの10代の頃、この春上京した方へのアドバイスを聞きました。
――黒木さんは上京した際、福山さんと原さんのように、同期やライバルのような相手はいましたか?
あまりそういうことを意識したことがないですね。ありがたいことに、周りの方がライバルというより仲間という感じで接してくださったので。みなさんから学ぶことや、刺激をもらうことはたくさんありましたけれど、福山さんたちのように、いつも近くにいる“ライバル”という感じはなかったと思います。
――福山さんと原さんには、オーナーシェフの井上さんという師匠がいます。黒木さんにも、師匠のような方はいますか?
野田秀樹さんですね。最初に私を見つけてくださった方です。野田さんと(十八代目)中村勘三郎さんとの3人芝居『表に出ろいっ!』(2010年)で本格的に芸能界入りをしたので、その時に野田さんからかけていただいたさまざまな言葉は、今も自分のなかに残っています。
今までお会いしてきた多くの先輩方や監督、この道に進むきっかけをくださった高校時代の演劇部の先生も師匠です。

――遅刻が多く、成長もゆっくりな福山さんへの指導に、井上さんが悩む場面もありました。
井上さんは福山さんに成長してほしくて、根気強く教えていると思うので、やさしいですよね。自分に足りない部分を指摘してくれる人って、年齢を重ねるごとに減ってくるので、そういう意味では、福山さんにとって良い環境ではないかなと思います。
――黒木さんは、指導という面で似たような経験はありますか?
私が学生の頃は、まだ厳しい指導が残っている時代だったので、いろいろとシビアなことも言われました。でも、そういうことに慣れていたので「何くそ!」と頑張ったり、「二度と同じことを言われないぞ!」という負けん気がモチベーションになったりしていました。
東京でお芝居を続けていくなかで、野田さんがかけてくださったさまざまな言葉は、どれも私にとってすごく大きな財産です。憧れている人の考えは何でも吸収したい、もっと教えてほしい、という思いで日々演劇に取り組んでいました。
――福山さんは地元の友人や、近所の飲食店でお客さんと話すのが息抜きになっているようです。黒木さんは上京当時、何かで息抜きしていましたか?
私も同じように演劇で頑張っている友人と話すのがすごくリフレッシュになっていました。「みんな頑張ってるから、私も頑張ろう!」と思えましたね。あとは、映画や舞台を観ることが、息抜きにもモチベーションにもなっていました。
――この春上京した方や、新しい世界へ踏み出す方にメッセージをお願いします。
東京は、良い意味でも悪い意味でも「広い街」なので、自分が何をしたいのか目的を明確に持っていないと、すぐ迷子になってしまう場所だと感じます。
目的は何でも良いと思います。新しいスタートですから、怖がらずに楽しいと思うことや夢や目標に向かって、まずはがむしゃらに頑張る。
私は、自分がやりたいことを明確に持っていたから、東京でお芝居を続けることができました。楽しいこともつらいことも、たくさんあるけれど、だから頑張れるというのもあると思います。頑張ってください。
予告動画
YouTube「フジテレビドキュメンタリー」で、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。4月13日(日)14時~「上京物語2025~二十歳のふたり 駆け出した夢~後編」
配信スケジュール
4月6日・13日放送「上京物語2025~二十歳のふたり 駆け出した夢~」前・後編(語り:黒木華さん)が、放送直後から4月27日までTVer・FODで無料配信されます。