2025年3月から、冷凍食品やインスタントコーヒーなど、2000品目を超える商品が値上げ。さらに電気・ガス料金は大手14社すべてで値上がりするなど、物価上昇の波は終わりが見えません。こうした中…進化を続ける“均一ショップ”が人気を集めています。
『めざまし8』は、その人気の秘密を取材しました。

売上高も右肩上がり「3COINS」

300円ショップとして知られる「3COINS(スリーコインズ)」。

20代女性:
シンプルだから、全然300円以上でも他より高くても買っちゃいます。好きで。

30代女性:
コンビニで買おうと思ったらワイヤレスイヤホンだったら4000円以上するものがほとんどだったので、2000円だったらこっちだよねって。

おしゃれな雑貨などを中心に全国340店舗を展開し、“庶民の味方”として知られていますが、店内を見てみると…。

取材スタッフ:
スマートウォッチでしょうか、3800円で売られていますね。
炊飯器だったり、トースター、電気ケトルと、「3COINS」とは思えないような商品が売ってますね。

300円を超える商品がずらり。
実は「3COINS」、2015年に300円均一を廃止。今や約4割が300円より高い商品だといいます。

進化を続けながら、店舗数とともに売上高も右肩上がりで上昇。物価高の今、100均より少しお高め…でも、100均のようなアイディアや工夫満載な商品が人気を集めているのです。

売り上げ1位を誇る“あの100円ショップ”も価格にとらわれない進化を遂げていました。

「DAISO」も機能性をアップした商品で進化

年間6000億円以上を売り上げる「DAISO(ダイソー)」。

DAISOといえば、生活用品やお菓子などの食品まで、ありとあらゆるものが100円!というイメージがありますが、実は…。

「エア弁付シリコーン蓋(30cm)」330円、「ワンタッチ収納7連ハンガー(2WAYピントフック付き)」770円といった、機能性をアップした商品を100円より高い価格で販売。今では約2割の商品が100円以上の価格帯だといいます。

DAISOの新ブランド「THREEPPY(スリーピー)」

さらに「DAISO」は、300円を中心にした新ブランドを2つ展開。

そのうちの1つが、DAISOの新ブランド、「THREEPPY」です。

20代女性:
安くてかわいい。

10代女性:
映えな商品がいっぱいあるなと思って。

300円を中心に「大人かわいい」商品をそろえ、女性をターゲットに、ここ数年で急拡大しています。

流行のくすみカラーを取り入れた食器類やアクセサリー類を豊富にラインナップし…

さらに、置いておくだけでインテリアにもなるフレグランス類の商品や、簡単に手のひらサイズにまとまるエコバッグも。

大創産業 広報 岩橋理恵さん:
家事をするときにちょっと気分が上がるとか、そういったことがすごく大事だと思うんですけど、そういったお手伝いができればなというところで、「大人かわいい」を意識したデザインになっています。

「THREEPPY」の商品開発会議をテレビ初取材

そんな「大人かわいい」商品はどのようにして生まれているのでしょうか?
『めざまし8』は「THREEPPY」の商品開発会議をテレビ初取材!
すると、商品開発に欠かせない、あるキーワードが見つかりました。

入社3年目 川村吏梨有さん「だんだんかわいく見えてきた(笑)」
入社5年目 齊藤莉子さん「よかった、見れば見るほど」
川村さん「だんだんかわいく見えてきたな~」
入社7年目 横野遥さん「かわいくなったね」

まるで「女子会」のような和やかな雰囲気で会議は進んでいきますが…。

横野さん「液体が漏れた時がめっちゃ怖い。ここが洗えないってのが」
齊藤さん「こっち側からよりこっちの侵入がちょっと怖い」

実体験を交えながら商品へのアイディアを出し、デザインや機能性についても細かく突き詰めます。

齊藤さん「『DAISO』のやつ、定期的にバズらない?」
川村さん「そうなんですよね…」
齊藤さん「だからその層はきっとかわいいのほしいと思う」
横野さん「なんか難しいよね、『DAISO』ぽさ出ちゃう」

会議中、3人がしきりに意識していたのは「DAISO」の存在。
なぜ同じ社内のブランドを意識するのでしょうか。

齊藤さん:
これ(ターナー)も、一応「DAISO」だとシリコン今高騰しているので、なかなかこのサイズ感でキッチンツールできないというところで、「THREEPPY」でやりたいというのがまず一つあるんですけど…。
横野さん:
「DAISO」はここ(シェルデザイン)の縫製って結構お金かかっちゃうんですよ。コストがかかっても、あえて刺しゅうを走らせて、こうシェルっぽくしているとか、そういったところで付加価値を出しています。

見えてきたのは、「『DAISO』との差別化」。
そして、価格面で気にしていたのが…客の購買力が一気に落ちるという「700円の壁」。

横野さん:
700円の壁があると私は思っていて、700円になった途端、売れないジャンルっていうのがあるんですよ、個人的に。

川村さん:
「DAISO」と比べて…高級路線ではあるけど、全市場で見た時に別に高級なところを狙っているわけじゃないので。

ダイソーとの差別化を図りながらも、価格を抑える難しさを感じているといいます。

齊藤さん:
「DAISO」が作った生活インフラにプラスオンで、どれだけ楽しく生活できるかっていうところが「THREEPPY」なんじゃないかなっていうところで。

資材高騰の中、価格は上がってもそれ以上の付加価値やアイディア、デザイン性を加える企業努力が見えてきました。

(『めざまし8』 2025年3月4日放送より)