【密着】元バレー日本代表・中垣内祐一氏（57）が米農家に転身！バレーコート2300面分「米づくりもバレーも一緒」地元大学で“教授”も

「ガイチ」の愛称で1990年代の男子バレーボール人気をけん引し、多くの女性ファンを熱狂させた元日本代表の絶対的エース・中垣内祐一さん（57）。
その姿は今、彼の生まれ故郷の福井市江上町にあるのどかな田園にありました。

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2年半前、50代にして「米農家」に転身した中垣内さん。
今の時期は、春の田植えに向けタネもみの育成や田んぼの土づくりなど、収穫期に並ぶほど忙しいといいます。

中垣内さんの実家は、鉄工業と米農家を経営。バレーボールの指導者時代から、繁忙期には手伝いに来ており、3年半前に大舞台、東京五輪を終えたことを機に本格的に家業を継いだといいます。

――田んぼの広さはどのくらい？
中垣内祐一さん：
大したことないですよ、大したことない。バレーコート2300面。

中垣内さん含めて4人で手がける田んぼは、合わせて東京ドーム7個分。しかしこの広さは、米づくりの現場を取り巻く問題点も表しているのです。

中垣内祐一さん：
作っている人が辞めていくから、その分増えていくんです。
米づくりには、機械とか設備とかこういったものがものすごく必要なんですよ。初期投資がでかい、回収できるかというと、できない。作っても作っても赤字だったりする。

高齢化や円安などの影響で、米づくりの機械を買い直せず、辞めざるを得ない農家が増加。
そこで中垣内さんは、諦められていく田んぼを守るため、少ない人数ながら広大な敷地を管理しているそうです。

さらに、なるべく農薬を使わない「特別栽培」にこだわり、スタッフ一同ほぼ休みなしで、手間暇かけた米づくりに励んでいるといいます。

中垣内祐一さん：
「あきたこまち」や「ササニシキ」だとかいっぱいあるけど、ちゃんとした作り方をしている、上手に作ってる米は、どの米もおいしい。だけどそうじゃない作り方をしている米は、どれもイマイチ。だから米は品種ではなく、作っている人、作り方。

なぜバレー界のレジェンドが、ここまで米づくりにまい進しているのでしょうか。

中垣内祐一さん：
米づくりだってバレーボールだって、一緒だと思うんだよ。目の前にあるから、それを一生懸命するだけ。そうすると、それがだんだん自分のものになっていったって話。

目の前のことに真っ直ぐ向き合い、日々、高め続ける…。
米づくりの現場でも、“アスリート”の姿を貫く中垣内さん。米づくりと平行して“もうひとつの挑戦”をしているといいます。

ビシッとスーツ姿に身を包み、中垣内さんが向かった先は福井工業大学です。

米づくりのため、福井に戻った2年半前に大学の理事長から、「若者たちの育成に携わってほしい」と声がかかり、健康科学分野の教授に着任した中垣内さん。

中垣内祐一さん：
授業をしますよ、ゼミもスポーツと健康に関することですよ。だからスポーツに関する、あと指導に関すること。コーチングが分野ですね、私の。

筑波大学出身でバレーボールのトップ選手に上りつめ、日本代表監督まで務めた知識と経験を活かして、未来の人材育成に注いでいるといいます。

バレーボール界から、米農家と大学教授に転身、57歳となった今もかつてのプレーさながらに攻め続ける人生。そんな中垣内さんから、今、生き方に迷いを感じている人へメッセージが…。

中垣内祐一さん：
“迷う”のが人生じゃないですか？だから全然迷ってもいいんじゃないかなと思いますけどね。そこで格好つけてね、「とにかく踏み出せ」とか言うつもりもないし。
「時にはこっち」「時にはこっち」ということを繰り返しながら、なんとなく振り返ったら、そういうところに進んできていたってことじゃないんですかね。
少なくとも自分の人生ですからね、迷っている人の人生ですから、怖がる必要はないと思います。

(『めざまし8』　2025年3月25日放送より)