【働く高齢者】75歳の介護士“シニア”だからこそ分かる「寄り添う心」 75歳以上が人口の5分の1に 広がる高齢者の働き方
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団塊の世代と呼ばれる75歳以上が人口の5分1となり、労働力不足となる「2025年問題」が迫る中、高齢者の介護でも“シニア”の活躍が期待されています。
『めざまし8』は、老人ホームで働く75歳の介護士を取材。“働く高齢者”の今と、周囲を取り巻く環境の変化が見えてきました。
60歳で介護士の資格を取得「生涯現役」
千葉市にある老人ホーム「グッドタイム リビング 千葉みなと/駅前通」で、介護士として働く、岩澤みね子さん（75）。
勤めていた焼肉店を定年で辞めた後、「人のためになる仕事をやりたい」と思い、60歳で介護士の資格を取ったといいます。
岩澤みね子さん（75）：
ハローワークの方が、気持ちはあるけど（介護の）スキルがないからと、学校を紹介していただきました。
国家資格である「介護福祉士」には年齢制限がなく、シニア世代でもセカンドキャリアとして資格の取得ができます。
そのこともあってか、2013年には介護職で働く60歳以上は全体の9.9％でしたが、2023年には18.4％と大幅に増えているのです。
75歳の岩澤さんは、自身の年齢に近い入居者も多く、共感できる話題があり“話しやすい”と評判も上々です。
入居者（88）：
「その歌ならよく知っているから歌いましょうね」って、歌っているのは覚えています。
お掃除の仕方も、さささってキレイにやっちゃう。
腰をかがめながら隅々まで丁寧に掃除機をかけ、ベッドメイキングも一切手を抜きません。使う人の快適さを考え、11分もかけて整えました。
施設には20代のスタッフなど88人が働いていますが、岩澤さんは最年長です。
20代のスタッフ：
（岩澤さんが）疲れている様子とか見たことないですね、“施設の元気印”みたいな。
岩澤みね子さん（75）：
初めて聞きました！ありがとうございます！
そんな元気な岩澤さんですが、一般的に介護で大変だといわれているのが、車椅子からベッドへの移動。
高齢の岩澤さんには大変な力仕事ですが、実は岩澤さんが介護士を始めた15年ほど前から、介護現場に「介護リフト」が導入されたのです。
岩澤みね子さん（75）：
私に力はかかっていません、フフフ。
体力面でのサポートが充実してきたという介護の現場。しかし、それでも岩澤さんが一番大切にしているのは「心」だといいます。
岩澤みね子さん（75）：
介護はね、心ですよ。
寄り添うって本当に、お話を聞いて差し上げるのが一番の仕事かなと。それが今の生きがいとやりがいです。
――いつまでこの仕事を続けたいですか？
定年がなくなった時代なので、生涯現役を目指します。
75歳の今も、週5日働いているという岩澤さん。プライベートでもパワフルに一人旅を楽しむなどまだまだ“現役”です。
青果一筋60年 人気者の82歳青果スタッフ
「人生100年」の現代、介護の現場だけではなく、様々な分野でシニアの活躍が見られます。
約60年、青果一筋で働いてきたという吉田富男さんは、82歳になってなお、「ドン・キホーテ」の青果売り場で働いています。
吉田富男さん（82）：
20代の頃は、早く仕事を辞めたいと思っていたんだよね。
(60代以降は)辞めちゃったらボケるんじゃないか？っていうそういう心配があったから。
青果売り場の責任者の年齢は26歳。若いスタッフも多く働く中で、手慣れた様子で商品作りをし、値札を貼って丁寧に陳列していきます。
青果担当責任者 本間大輝さん（26）：
速いですし、尚且つキレイなんです。一つ一つ商品に対して愛があるなと。
今でも20kgはあるタマネギの入った段ボールを持ち上げるなど、元気な姿に、この場所がドン・キホーテになる前の「ダイシン百貨店」の頃から40年以上通う常連は…。
常連客：
人気者だよ、明るいし。元気よ、元気もらうよ本当に。
吉田富男さん（82）：
この年まで働かせてもらえると思わなかったから、本当に感謝感激です。
若者から“刺激”を…相談役としてベンチャーに参加
シニアの中には、60歳を超えてから“あえて”ベンチャーに参加したという人もいます。
鈴木隆之さん（66）は、パナソニックの子会社だった旧松下通信工業でPHSなどの機器を開発し第一線で活躍してきた技術者です。
管理職なども務めましたが、「モノ作り」にこだわり、ベンチャー企業の相談役のような形で30歳の若手プログラマーと共に、照明などから発電し「電池がなくても動き続ける家電」の開発を行っているといいます。
プログラマー 小原拓也さん（30）：
疑問に思った点を、今だと「ネットで調べて解決してください」「分厚い本を読んでください」と言われますけど、それがパッと聞いてパッと返していただけるのは、うれしいことだし。
鈴木隆之さん（66）：
（若い人たちが）困っていることは、自分たちも失敗したこと。同じ失敗を、もう一度若い方にさせるのはかわいそうなので。
――収入は？
収入にはなっていないです。
若い人と話すと新しい技術を吸収できるのがモチベーションですね。
(『めざまし8』 2025年2月26日放送より)
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