【危険】自覚症状なし「睡眠時無呼吸症候群」痩せ型の女性も注意！西村知美も…セルフチェック方法と対策は？「睡眠の質が大切」

睡眠中に何度も呼吸が止まったりしてしまう「睡眠時無呼吸症候群」。日本人の潜在的な患者数は、約900万人ともいわれています。

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原因のひとつに「肥満」が挙げられますが、ゆみのクリニック渋谷桜丘の土肥智貴医師によると、「あごの形」も関係しており、女性や“やせた人”が、自らの症状に気づいていないケースも多いといいます。

俳優の西村知美さん（54）も、自身では気がつくことができなかったひとりです。

西村知美：
40歳前後の時、娘が「怖い夢を見た」って言ってきたんです。
「どうしたの？」って聞いたら「学校にオオカミが入ってきて追っかけられて、ウーっていう“うなり声”が怖くて目が覚めたら、ママのいびきだった」と。
もう、がく然としましたよ。

その後、西村さんは病院で無呼吸症候群と診断を受けました。
『めざまし8』の出演者であるジャーナリストの岩田明子さんも、4年前に無呼吸症候群の診断を受けたといいます。

ジャーナリスト　岩田明子氏：
まさか自分が無呼吸だとは思ってなかったですね。1回の呼吸停止時間が長くて3分超えていたのかな？これがものすごく危険だって言われて。
（日常生活で）なんていうんですかね、ちょっと意識が…あまり覚えてない時間帯とかあったりして、ちょっと怖かったですね。

本人の自覚もないまま、あごの形が原因で起こる可能性があるという「睡眠時無呼吸症候群」。

体重の変化があった時に、症状に気がついたという30代の女性も、「痩せても改善しないのではないか」という不安があると話します。

無呼吸症候群の症状に悩む女性：
体重の増減がガンと激しくなった時期に、うたた寝している時に息が荒いというか、ちゃんと吸えてないよねっていわれて。
父親は細いけど、あごの形か何かの問題で、父親は今も睡眠時無呼吸（症候群）で、私も痩せたところで、もしかしたら遺伝的な感じで、（治療は）続くかもね、という感じでお医者さんにいわれている。

突然死のリスクもあるという「睡眠時無呼吸症候群」の、“なりやすい”人の特徴や、1人でもできるチェック方法、治療法や改善策を専門家に詳しく聞きました。

睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠中に1時間あたり5回以上の無呼吸や低呼吸がおこるといわれています。
症状として、1時間あたりの無呼吸･低呼吸の回数が5回以上～15回未満で軽症、15回以上～30回未満で中等症、30回以上は重症となります。

なりやすい人の特徴として肥満の人（発症率は約3～4倍）、あごが細く小さい、更年期の女性（ホルモンの分泌量が減少しているため、気道が塞がりやすく発症率は閉経前と比べて約6倍）、舌が大きい人などが挙げられます。

土肥智貴医師によると、自分が無呼吸症候群かどうか調べるためには、以下のチェックリストがあります。1つでも当てはまる人は、注意が必要です。

・いびぎがうるさい
・寝ている途中で呼吸が止まっている
・日中、眠気やだるさがある
・起床時に頭痛や頭･体が重い感じがする
・熟睡感がない
・集中力･記憶力が低下しているように感じる
・夜間頻尿
・不眠がある
・口の中の乾燥が気になる
・性的欲求の減退やEDがある

――なぜこのような症状があると注意が必要なのでしょうか？
ゆみのクリニック渋谷桜丘　土肥智貴医師：
睡眠時無呼吸症候群は、気道が閉塞することによって寝ている間に呼吸が弱くなったり、呼吸が止まってしまう病気なんです。一番起きてくるのが、睡眠の質の低下です、それに伴う症状が大部分になります。

無呼吸状態になってしまう理由として、舌や口蓋垂（こうがいすい）が正常状態であれば気道に空気が流れますが、睡眠時無呼吸症候群の場合、舌が沈む、首回りに脂肪がつく、へんとう肥大の影響などで気道が閉塞し、呼吸がしづらい状況になってしまうのです。

土肥智貴医師：
やはり、あごが小さいとか、そういった生まれつきの体形によっても引き起こされる病気なので、若い頃から「小児の睡眠時無呼吸症候群」なんかも非常に注目されています。
あごが小さい方は、おのずと舌のスペースが狭くなってきますので、気流、空気の通り道が狭くなると。

――発症するタイミングなどは？
体重が増えてくるとか、最近は花粉症なんかも増えてきていますが、風邪をひいたり、花粉症で口を開けて寝てしまったときに発症する方もいらっしゃいます。

――女性でも治療中の方がいる？
はい、男性よりもいびきなどの症状が軽い方が多いので、まだまだ潜在的に女性の無呼吸症候群の患者さんというのはいらっしゃると思います。

自分は無呼吸症候群になっているのではないか？そんな方のために、1人でもできるセルフチェック方法があります。

このときのしっかりと軟口蓋と呼ばれる口の奥のやわらかい部分と、口蓋垂・通称「のどちんこ」がはっきり見えていればリスクは低いといわれています。
一部だけや、見えなくなるほどに4段階でリスクが高くなり、2段階目の「一部だけ見える」状態でも、患者数の比率は約50％、半数の人が睡眠時無呼吸症候群だったというデータもあります。

重度の「睡眠時無呼吸症候群」を放置すると、心疾患や突然死のリスクも高くなります。
無呼吸により血中の酸素濃度が低下、心拍数や血圧が上昇します。合併症の発症リスクも高まり、高血圧は1.4倍～約2.9倍、脳卒中は3.3倍、糖尿病は約1.6倍になるといわれています。

もし、少しでも疑いがある場合は、呼吸器内科、循環器内科、耳鼻咽喉科などを受診してください。
治療法として、軽症の場合はマウスピースの装着、中等症以上は鼻に装着したマスクから空気を送るCPAP(シーパップ)療法や、気道を確保するために外科手術などがあります。

軽度の場合は、家でできる対策もあります。

・抱き枕を抱いて横向きに寝る
横向きに寝ることで、舌の付け根が喉の奥に落ち込みにくくなります。

・口腔や舌の運動として「あいうべ体操」を行う

――他にも日常生活で気をつけなくてはいけないことはありますか？
土肥智貴医師：
やはり、体重が増えないような生活習慣の改善はとても大切になってきます。一番大切なことは、本人が睡眠の質に向き合うことです。
睡眠時無呼吸症候群は放置すると長期的には予後を下げてしまいます。医療機関で簡単に簡易検査ができますので、ぜひ睡眠の質が低下しているな、眠気があるなと思った方は一度受診していただければと思います。

(『めざまし8』　2025年2月18日放送より)