一人暮らしの高齢者が増える昨今…そんな孤独な高齢者を救う、安くて・おいしくて・元気になる「シニア向け食堂」が、今話題となっています。
「シニア向け食堂」とは、高齢者が気軽に食事をとることができる食堂のこと。
同じ場所で食事をすることで、交流の機会を増やしたり、心身の健康増進が期待されています。
『めざまし8』が取材したのは、東京・荒川区に2023年7月にオープンしたシニア向け食堂「つなぐ荒川食堂」。
元々は、お弁当の配送業者が休憩室として使っていた場所を間借りし、週に2回、昼食の提供を行っています。
1日限定20食ですが、食堂内はシニア世代のお客さん満席状態。
飛ぶように注文が入ります。
この日のメニューは、かぼちゃ・鶏肉・しめじ・玉ねぎが入った具だくさんのお味噌汁。
それにご飯と小鉢が3品ついて、お値段はなんとたったの300円!
86歳/一人暮らし 女性:
奥さん、こんにちは、おはよう。
先週来なかったよね?だから心配しちゃったのよ。
そう言って入ってきた一人の女性、同じく86歳一人暮らしの女性を気遣います。
2人はこの食堂で知り合ったといいます。
86歳/一人暮らし 女性:
これだけ(自分で)作るのにね、お金がどれだけかかる?
かぼちゃ入れるって言ったって、半分買ったって。(一人前で)2、3個でしょ?入れるの。そんな思いするんだったら、(食堂は)こんなに安くてありがたい。だからここへ来ようねって。
食堂を運営しているのは、地元に住むシニア世代のボランティア。区からの補助金もあり、格安で食事を提供できるといいます。
人気メニューは、隠し味に“にんにく”が入った家庭的なカレーライス。
食後のコーヒーもついて400円です。
でもみなさん、安くておいしい昼食だけが目的ではないようで…。
1年ほど前から、毎週この食堂へ通っている91歳の佐久間サイ子さんは、食堂に訪れる人との“交流”も目的のひとつだといいます。
佐久間サイ子さん(91):
ここへ来ると、全然知らない人とこうやって話して笑えることはいいことですよね。それが私はすごく楽しいんです。
――なぜこの食堂に?
私は、この方(友人)に誘われて。私、病気して家にいたもので、この人から「家にいるなら(食堂へ)行きなさい」って言われて。
5年ほど前に外で転倒し、右手と右脚に大きなけがをしたこともあり、家に引きこもりがちだったという佐久間さん。夫は29年前に亡くなり、以来ずっと一人暮らしをしています。
家で一人、あまり手の込んだ料理も作れなくなっていたところにできた、「シニア向け食堂」の存在がありがたいといいます。
佐久間サイ子さん(91):
家の中でね、一人でこもっちゃったら、それで済んじゃうんだもの。泣いているだけですよ、一人でいたら。だっていいことないですもの。
もうそんな話したら私…涙が止まらないですよね。
ある日、食堂の厨房をのぞくと、ボランティアで料理をする佐久間さんの姿がありました。
佐久間サイ子さん(91):
楽しいですよー。こんな話できない、うちにいたらね。
ここに来れば、みんながいる。お腹も、心も満たされるようです。
世代を超えた交流も
次に取材したのは、横浜市の商店街にあるシニア向け食堂「TABIMA」。
この食堂はなんと、65歳以上は無料だというから驚きです!
県や市からの補助がある上に、食品会社が食材を無償で提供してくれるため、“シニア無料”が可能だといいます。
90代男性:
きょうは、いっぱいだな。
やってきたのは、娘と二人暮らしをしているという90歳の男性。
90代男性:
子どもが家にいるときは(食事を)作ってくれるけども、そうでなければ表へ出て食べるってことですね。
娘が不在の時は、自炊も大変で外食を選びがち。中でも、無料で食べられるこの食堂の存在はありがたいといいます。
この場所に来るのはシニアだけではありません。
実は、2016年に子どもに無料で食事を提供し支援する「子ども食堂」としてスタートした「TABIMA」。
2022年から「シニアにも食事の場が必要」という考えのもと、子どもだけでなくシニアの方にも無料で食事を提供するようになったのです。
ここに来るシニアにとって、子どもと触れ合えることが生きる楽しみのひとつの楽しみ。
子ども「おいしかったですか?」
おばあさん「おいしかった!これでもう栄養が満点ですよ」
高齢者だけでなく、幅広い世代の交流も手助けする「シニア向け食堂」。
今後も全国に広がっていきそうです。
(『めざまし8』 2024年12月18日放送より)
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