丈さんが研究を始めたきっかけは、5歳のときにチョウを飼っていて感じた“悔しさ”だったといいます。
研究を始めたきっかけは5歳で感じた悔しさ
お母さんが園芸用で買った庭のレモンの木にアゲハが卵を産みに来ました。見守っていると、幼虫からさなぎになる時に死んでしまいました。この悔しかった経験がきっかけとなり研究を始めたということです。
小学1年生になると、アゲハチョウを無事羽化させ成虫にするプロジェクト「ぼくとチョウの35にちかん」観察日記をスタート。
2年生のときには、普通の幼虫より脱皮回数が多い個体の研究「アゲハの過齢幼虫の大発見」。
小学3年生では、「僕が育てたチョウは放した時に僕の周りを飛ぶけど、野生で捕まえたチョウは僕の周りを飛ばなかった」ということをきっかけに、「幼虫の時の記憶は成虫になっても残るのか?」を研究。
倉田大誠アナウンサー:
きっかけとなった、自分の周りを育てたチョウが飛んだときって、どういう気分だった?
長井丈さん:
僕のことを覚えてくれていたのがすごくうれしかったし、アゲハの幼虫は小さいし脳みそも小さいのに僕のことを覚えてくれてさらに成虫まで忘れないでいてくれたっていうのがすごくうれしかったです。
その実験方法とは…
① 幼虫の時にラベンダーの匂いを嗅がせて低周波治療器で刺激を与えることで、 ラベンダーの匂いを嗅ぐと嫌なことが起きると体験させる。
② そして成虫になってから自分で作ったY字装置の入口にチョウを置き、左右に「ラベンダー+砂糖水」と「砂糖水」を置き、どちらに行くかを観察し記録する。
すると結果は…
幼虫の時に刺激を与えていない成虫は、「ラベンダー+砂糖水」52%、「砂糖水」48%。
幼虫の時に刺激を与えた成虫は、「ラベンダー+砂糖水」20%、「砂糖水」80%。
つまり、幼虫の時の記憶は成虫になっても残ると結論づけました。
倉田大誠アナウンサー:
実感結果が分かったときの気持ちは?
長井丈さん:
記憶が遺伝するってことはすごいなと思ったし、やっぱりアゲハというものは幼虫の時はかわいいし成虫になってもかわいいから、さらに記憶が遺伝すると分かって、もっとアゲハチョウが好きになりました。
毎年積み重ねたこの研究成果が、今回話題となっている4年生で行った「アゲハの記憶の遺伝」の研究とつながりました。
MC谷原章介:
丈さんが自分から興味を持って調べたりするとき、(お母さんは)協力しなきゃいけないこともあったと思うんですけど、その時はどんな気持ちで見ていたんですか?
丈さんの母:
新しい研究が始まったときは「あ、また新たに始まったな」って思いますし、必要なものはできるだけ、買うんじゃなくて自分で考えてほしいので、100円ショップに連れて行って自分でものを見てアイデアを練らせてっていう感じで。自分でなるべく作れるように。
「世の中にはこういうやり方があるよ」っていうのはある程度は言うんですけど、でも、買えたら買うじゃなくて「自分で作れるようにやってみたら」っていうふうに伝えるようにはしてます。
そんな丈さんの将来の夢は…「生物学者」。
長井丈さん:
昆虫の知能とか体のつくりを動物や人間に応用して困っている動物や人間を助けたいです。
(『めざまし8』 2024年10月14日放送より)
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