「何でも買い取ります」
そんなチラシや電話を発端としたトラブルが今、急増していることをご存じでしょうか?
「不要品の買い取り」をうたう業者が家を訪問し、高価な品物を半ば強引に安値で買いとる“押し買い”と呼ばれるトラブル。
9月18日、国民生活センターが注意を呼びかけました。
国民生活センター:
相談者の方が「貴金属はない」と言ってきちんと断ったんですけれども、引き下がらないで身につけていた形見の指輪を「外せ」と強く言われたということです。
国民生活センターには2023年度、約8600件の相談が寄せられ、被害を受けた8割近くが60歳以上のシニア層、特に女性が多くトラブルにあっているといいます。
最も狙われやすい品物はアクセサリー。寄せられた相談には、こんなケースもあったといいます。
【70代女性のケース】
訪問してきた買い取り業者に皿を100円で買い取ってもらいました。
その後、「他にネックレスなどはないか」と言われ指輪などの貴金属を業者に見せました。
これに対して業者は「汚れがあるので高く売れない。当社なら高く買い取る」と女性に伝えます。
女性はよくわからないまま書類にサインし、貴金属7点を5000円の格安で買い取られてしまいました。
【80代女性のケース】
切手帳を業者に2万円で買い取ってもらいました。
その後、「貴金属はありませんか」と言われ、2階に取りに行きます。
戻ってくると買取業者が2人になっていて、指輪やネックレスなどを見せました。
すると少し目を離したすきに買い取り業者がいなくなっていてアクセサリーの箱も全て空になっていたというケースもありました。
なぜ今、貴金属を狙った“押し買い”が多発しているのでしょうか?
詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストの多田文明氏に聞きました。
多田文明氏:
金の値段とかかなり上がってますので安値で買いたたいて利益を得ようと。
背景の一つとみられるのが金の高騰。今年8月の平均価格は、1グラム約1万2000円。
5年前に比べ2倍以上の価格となっています。
貴金属をだまし取ろうとする“押し買い”。被害に遭わないための対策とは?
被害に遭わないために…
「何でも買い取ります」という言葉に注意してください。
多田文明氏によると、「何でも」という言葉で客の心理的ハードルを下げ、買い取り業者を受け入れやすくしているということです。
さらに、法律の隙を突こうとしているという狙いもあるといいます。
訪問買取については、業者の訪問時にあらかじめ依頼された物品以外の買い取りを勧誘することは特定商取引法で禁止されていますが、「何でも」と濁した表現にすることで約束をあいまいにする狙いがあるそうです。
では、トラブルに遭わないためにどうすればいいのか。国民生活センターの呼びかけをもとに「めざまし8」が作成した注意ポイントです。
・営業トーク“何でも買います”に要注意
・家に入れない
・トラブルになったらすぐ相談
相談先は、消費者ホットライン「188」。もしくは警察相談専用電話「♯9110」です。
この3つの注意ポイント、頭文字を取って、「エ・イ・ト」でぜひ覚えてください。
(『めざまし8』 2024年9月19日放送より)
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