眠らない街、新宿・歌舞伎町。
そのすぐ側で、24時間・365日急患を受け入れ、ドラマ『新宿野戦病院』の脚本の参考にもなった「春山記念病院」。

『めざまし8』は、1年で最も搬送が多い年末年始に密着。繁華街ならではの患者が続々と運ばれてきました。

酩酊状態で搬送「運ばれてきた理由がわからない…」

2024年12月30日午後10時ごろ。
運ばれてきたのは20代の男性。

歌舞伎町の駐車場で倒れていたという男性…ぐったりして動けない様子。
男性は観光で歌舞伎町を訪れて、かなりの量の酒を飲み、急性アルコール中毒になっていました。

日々、眠らない街と向き合うこの病院では、年末年始にこうした救急患者が急増。
男性は点滴を受け、1時間半後、起き上がることができるまで回復。しかし…。

患者「私が運ばれてきた理由がわからないんですけど…」

病院のソファで寝てしまった男性

記憶が飛んでいるという男性。再び病院のソファで寝てしまいました。
搬送から約3時間半後…。

看護師「もう出ましょう。いつまでもいられないの」

患者「すみません…」

タクシーとバイクの接触事故

急性アルコール中毒の患者の搬送が続く中、近くでタクシーとバイクの接触事故が起きたとの知らせが入りました。

バイクに乗っていた男性が搬送されてきました。

隊員「タクシーの後方をバイクが走行中、タクシーがお客さんを乗せるために急ブレーキをかけたためバイクの運転手も急ブレーキをかけたところ、ブレーキロックしてしまい右側に転倒」

男性は転倒し体を強打していたため、CT検査などを行うことに。

医師「鎖骨の真ん中が折れちゃってる。きょうはこのまま入院してもらって、そうすれば最短であした(手術)できるかもしれないので」

折れた鎖骨の手術を行うため、緊急入院となりました。

激辛スープを飲んで…「もう死にそう」

街は華やかな年末ムードの一方、医師を悩ませる新たな救急要請が。

医師:
どうすればいいか分からない。どうしようと思って…。

運ばれてきたのは20代の女性。担架の上で、もがくほど苦しそうな様子。

隊員「アジアン料理のお店で辛いスープとかを飲んだところ全部飲み干した後に、過換気症状、両手指先のしびれ感。辛さのレベルで10段階中9段階、大さじのスプーンで唐辛子3杯くらい入っているということです」

女性は激辛スープを飲み、全身がしびれ、呼吸も苦しくなってしまったというのです。しかし、激辛料理を食べた時の医学的な対処法はないといいます。
この女性の場合、深呼吸をさせて落ち着かせるしかありませんでした。

患者「もう死ぬ~もう死にそう…」

医師「大丈夫、ゆっくり息はいて」

搬送から2時間後、症状が落ち着いた女性に話を聞きました。

取材スタッフ:
辛いものはお好きなんですか?

患者:
普段けっこう食べますけど、なんで今日はこうなったか…。
(手は)普段も時々しびれるんだけど、今回は1番状況がひどい…。

階段で転んだ男性「本当に申し訳ない」

終電時刻を過ぎた午前1時ごろ。
急患が殺到し、慌ただしさはこの日のピークに。

運ばれてきたのは、仕事納めの後、酒を飲んでいたという50代の男性。
まぶたの上が数センチ切れていて、6針縫う処置が取られました。

患者:
終電まで3分だったので、駆け足で(階段を)下りていった時に途中で転んじゃってですね…。でもすごいですよ、周りの人がみなさん年末忙しい中、私の面倒をみてくれたんですよね。
本当に申し訳ないなと…年末で、お医者さんも含めて反省しています。

年末は病院が休み…インフルエンザ感染者

新宿の街も人通りが少なくなった午前3時。
搬送されてきたのは飲食店で接客業をしている20代の女性。

医師「だいぶだるいんだ?喉も痛い?」

隊員「喉も痛いということで」

40度近い高熱、喉の痛みという症状で検査をすることに…。
結果はインフルエンザA型でした。
解熱剤の点滴を打ち、徐々に症状は改善。女性が話を聞かせてくれました。

患者:
ずっと病院行きたかったんだけど行けなかったから。インフルだと思ってたから、市販薬で乗り切ろうと思ったんだけど…、やっぱり無理だった。
最悪です、地元に帰りたかったのに、最悪の年末です。

年末は病院が休みなので自宅で耐えていましたが、症状がひどくなり、救急車を呼んだといいます。

この日、春山記念病院の救急外来で受け入れた救急車の数は45台。患者は過去最多の87人でした。
その内、インフルエンザ感染者は21人。そのほとんどが、かかりつけ医が休みのため、救急外来に駆け込んだ患者。これが年末年始の救急医療の現場をひっ迫させていました。

牛刀で親指を切った男性

年が明けても、搬送されてくる人は減らず…。

医師:
16時やばいんだけど…。(1時間で)7件も(搬送されて)来てる。

医師「ごめん、もう一回言って!何で?牛刀?」

運ばれてきた男性は、飲食店での仕込み中に親指を牛刀で深く切ってしまったといいます。

医師「ちょっと痛いですよ」

患者「あぁ~~~~~」

医師「ここできれいにしとかないとなんで」


看護師「今頑張らないと感染してお仕事に差し支え出てきちゃうからね」


患者「ですよね~~~~」

患者:
年始めの営業なので食材何もないんで、切る物が多くて。慣れるとね、包丁の怖さって忘れちゃうので。改めてあれは本当に一歩間違ったら危ない道具なんだなっていうのが身にしみて感じました。

春山記念病院の医師によると、今は、インフルエンザB型と新型コロナ感染症による救急搬送が増加しているといいます。
新年になり仕事や学校が始まって2週間程度は、疲労がたまり体調を崩しやすいので注意が必要だということです。

(『めざまし8』 2025年1月14日放送より)