家治は、お品に会いに行き『南泉斬猫』の書物を渡す。これは以前、倫子がお品のために用意していたもの。
すると、お品はかつては書物に描かれる1匹の猫を奪い合う僧侶たちが嫌いだったが、今は貞次郎のためなら自分は喜んで戦うと話す。また、倫子は自分なら猫を増やすと言っていたとこぼした。
お品は定信の隠密とは知らず、五菜として変わらず猿吉を使っていた。
お品は、貞次郎の身周り品を集めてきた猿吉に礼を述べ、赤い足袋を渡す。そして、お品は猿吉に、「そなたもきっと猫を増やす人」だと告げた。
その夜、乳母たちの目を盗み、猿吉は貞次郎の寝室に忍び込んで殺めようとする。だが、その時、お品がくれた足袋とおそろいのものを貞次郎が身につけているのを見てしまい、未遂に終わった。
猿吉から報告を受けた定信は激怒。もはや定信に大義などなく私怨しかないと指摘する猿吉を、定信は容赦なく切りつけた。