<市毛良枝 コメント>
お母さんはみんな強いんですよ!咲子さんは比較的悩みながらも、どこか楽観的ですね。悩ましいと思えば悩ましいし、「まあ大丈夫」と思えば大丈夫。どちらにも振れるような人ですね。
現場でかなり追体験をしているような感覚があります。ウズメが外に出られるようになって、親としては、やっぱりホッとするんですよね。だから時々、私とお父さんが食卓で盛り上がっちゃうんです(笑)。でも、また何かの言葉がきっかけで、ウズメが元に戻ってしまうかもしれない。
台本に書いてあることだから大丈夫だと分かっているのに、「これ、大丈夫だったかしら」って、本当に自分のことのように感じてしまう。それだけ、咲子という役になっているということなのかもしれません。
この役を通して、自分自身もいろいろ考えさせられたり、学ばされたりしているような気がします。
イモトさんとは、最初から何の違和感もなく、自然と親子になれました。1話では、親子のもつれもあり、お互いかなりカリカリしているんです。「大丈夫かな」と思うくらい(笑)。
でも、現場を離れると、全く元のフラットな状態に戻るんですよ。イモトさんとの間には、「帰ってくるフラットな状態」があるような気がします。大吉さんとも自然に「お父さん、お父さん」という感じで、本当に普通の家庭ですね(笑)。役を演じているという意識もあまりなく、そのまま役のまま話しているような感覚です。
家族って難しいですよね。近すぎるし、切っても切れない関係だから。親が子どもにとって安心できる存在であることは、すごく大事だと思います。安心している子どもは、思い切りわがままを言ったり、反抗したりできる。それは「親は絶対に自分を捨てない」という確信があるから。だから、親に平然と反抗できる子のほうが、ある意味では幸せなのかもしれない。
私自身も、年齢分だけ反抗期があったんじゃないかと思うくらい、毎年のように反抗していました(笑)。それも「絶対に愛されている」という自信があったからこそなのかなと思います。
第3話でも取り上げられるテーマですので、注目してください。
人生で大きく落ち込んだことが、3回くらいあります。そういうときは、身近な人に「私、危ない」「今、すごく危ない」って言うんです。すると、「いつものまんまじゃん」「笑ってるから全然落ち込んでいるように見えない」って言われます(笑)。
でも、人に話しているうちに、自分の中のものが解消されていくんですよね。あと、落ち込んでいるときは、なぜか重い内容の本ばかり選んでしまう(笑)。最後には2人で心中してしまうような話とか。でも、「私、こんなことしてちゃダメだよね」って、自分に戻ってくる。最後に「風の抵抗みたいなものがあって、ふっと上がってくる」、そんな感じです。
引きこもりは、決して特別なことではない。そう感じてもらえたらうれしいです。
誰もが引きこもる可能性はあるし、実際に引きこもらなくても、心の中に同じようなものを抱えている人は、きっとたくさんいると思うんです。「引きこもらない人の心の中にも、どこか同じようなものがあるのではないか」。
引きこもりを特別な人だけの問題ではなく、もっと普遍的なこととして受け止めてもらえたらうれしいです。
