神山智洋(WEST.)さん主演、中村海人(Travis Japan)さん共演、土ドラ『ミッドナイト屋台2~ル・モンドゥ~』は、味覚を失ったフレンチシェフ・遠海翔太(神山)と鋭敏な舌を持つ元副住職・方丈輝元(中村)が、屋台をオープン、悩みを抱えた客と心を通わせ新たな一歩を踏み出していく――疲れた夜に心とお腹を満たすハートフルな物語。
四苦八苦しながらも、きょうも夜な夜なさまざまな問題を抱えたお客さんに、心温まる料理と説法で癒しを届けます。
<コラム>『ミッドナイト屋台2~ル・モンドゥ~』最終話
シーズン2最大のミッションである、屋台で“星をとる”という、その攻防…例えば、スペシャリテ選定をめぐる紛糾であったり、星の調査員がやってくるかもしれない狂騒曲であったり、それに対する主人公たちの葛藤だったり…という、そんな攻防がほぼ描かれないまま、最終回前の第9話終了約1分前に、「一つ星獲得」という超あっさり展開に衝撃を受けているひまもなく、しかも、その一つ星獲得!という超肝心な知らせの手紙を、まさか「開けるの忘れてた!テヘッ」っていうオチにするとは、おっちょこちょいにもほどがある。
むしろ、なぜ手紙を忘れたことにしたのか?普通に手紙が届いて、2人で開けて大喜び!でよくない?なぜそうする必要があったのか?に対するエクスキューズが一切なく、もう残り数十秒だし、感情の整理がつかぬまま、次回、最終回!!だったもんで、じゃあ、次の最終回は、すでに一つ星をとってしまった、主人公たちの目標が達成され、物語のクライマックスも描かれてしまった、その最終回、一体全体何をやるのか。
と思いきや、その、待ちに待った最終回の冒頭…ってのが――。
誰も知るはずのなかった地下駐車場にある屋台が一つ星を獲得したことによって、メディアに大々的に取り上げられ、とんでもない行列になって大繁盛する…までは、いいとして、なぜか店内で大音量のEDMが流れ出す。
なんでかミラーボールも飾られる。キラキラのレイを首にかける輝元(中村海人)!!輝元から無理矢理グラサンをかけさせられる翔太(神山智洋)!!
まんざらでもなく、ひじを立てて七味を高々と振りまいてみせる翔太(キラキラ七味タイム)!!!
って、どういう展開!?(褒めてます)
一つ星をめぐる攻防戦を最終回で描かず、その“あと”を、あえて最終回冒頭で描いてみせた。そこまではわかる…だけど、一つ星を獲得したことで調子にのりまくって、浮かれまくる2人を描くにしても、どういう展開!?(だから、褒めてます)
少なくとも、EDMはかける必要ないし、ミラーボールも必要なかったよね??
だけどだけど、キラキラのレイをかけた輝元と、高々と七味をかける翔太は…絶対…絶対に…必要だったよ!?(どないやねん!)
で、そんなこんなの、最終回冒頭からの異常な超ハイテンション展開にニヤニヤしていたら、その屋台の狂乱ぶりによって、母(相田翔子)が息子・翔太を発見!!…って、どういう丁寧さなの!?(褒めてるよ?)
こういったサクセスストーリーの常套である、目標を達成してしまったあとの有頂天を描く。まあ、それ自体はわかる。
だけど、その有頂天を徹底的に能天気に描きながらも、その展開を一切無駄にぜず、その有頂天に乗じて、最終回のラストエピソードとして、そんな有頂天の真っ最中だからこそ、翔太が母に発見される!!ってさ。
ほんとに、どういう、どういう類の、丁寧構成なわけ?!ねぇ!?(だから、褒めてます)
しかもしかも、この『ミッドナイト屋台』の何がすごい…っていうか、何が常軌を逸してるかってさ(褒めてるんだって!)、サクセスストーリー終盤に待ち受ける、目標達成後の調子にのる展開によって、主人公たちに軋轢(あつれき)が生じて、衝突して、それを乗り越えることで、かつてより強固な絆が生まれる…っていう、お約束の展開を、翔太が輝元に激怒する→輝元、自分だってグラサンかけてたじゃん!と逆ギレする→それは、おまえがかけさせたからだろ!と至極まっとうなツッコミが入る→なんでそうやって人のせいにするんだよ!と輝元がさらにキレる→だけど、そんなこんなのCM明け→輝元「(翔太の)サングラス…似合ってたしね」と秒で和解する2人…ってさ…うん、もう最高だったね(結局)!!!
でもって、そんな超ハイテンションなオープニングで幕を開けておいて、最終回のラストエピソード、翔太の母と翔太の、ミートソーススパゲッティをめぐる物語を、終了10分前付近で描ききるという潔さ!!
しかも、そこの親子の描写は過去の映像を振り返るのみで多くを語らず、母との感動の再会とか、母が出て行った経緯の説明とか、ミートソーススパゲッティのお涙頂戴連発とか、一切ない。
視聴者に感情を委ねた、説明ゼロのさわやかさで終了!!という、このドラマらしい、人情描写の最高到達点!!!
