『ザ・ノンフィクション』の“語り”に初挑戦したsuisさん(ヨルシカ)にインタビュー。「山﨑煙火製造所」の若き花火師たちの奮闘について感じたことや、ヨルシカのツアーが終わったあとの、2026年後半の過ごし方についてききました。
suis「人間は一人ひとり違いすぎる。個性に優劣はない」
――花火師たちの世界をナレーションで伝えてみて、いかがでしたか。
私自身、花火が本当に好きで、大人になってからも、機会があればいろいろな花火大会に行っていました。でも、その裏側は、どうやって打ち上げているのかも分からない、まったく未知の世界だったんです。今回、その裏側を知ることで、自分の中に新鮮な世界が広がりました。
さらに、華やかな花火を生み出している花火師の皆さんも、私たちと同じように、それぞれの人生を生きるひとりの人間なんだと、改めて感じました。
――特に印象に残った登場人物を教えてください。
警備会社に勤めていた瀬戸嶋さんです。警備の仕事を通してさまざまな現場を経験したうえで、「人を喜ばせる仕事がしたい」と花火の世界へ進むことを決めた、その思いがすてきだなと思いました。
私もこういう仕事をしているので、「人を喜ばせる仕事っていいよね」という思いに共感します。仕事を続けるモチベーションは、結局、誰かの笑顔が見たいとか、誰かが喜んでくれるから、ということに尽きると感じています。だから瀬戸嶋さんの言葉には、胸を打たれました。
――同期でありながら個性が異なる、よしきさんと飯野さんについては、どう感じましたか?
花火そのものだけでなく、作り手にもそれぞれ個性があります。飯野さんのような柔らかい雰囲気の女性が職人の世界に飛び込み、奮闘していることも、本当にすごいと思います。
一方でよしきさんは、とても芯が強い方です。人懐っこくて…ああいう人、いますよね。「よしきさんのように、先輩にかわいがられるようになれたらいいな」という飯野さんの気持ちも分かります。
――番組では花火師を目指す若者それぞれの個性が際立ちます。個性で勝負する歌の世界に身を置くsuisさんは、自分と周囲の表現者を比べて葛藤することはありますか?
あまりないように思います。そもそも、人間は一人ひとり違いすぎる、ということがベースにあって、違うのが当たり前だから、個性に優劣があるとは、あまり考えたことがありません。
もちろん、うまい・下手という意味で、自分の実力が追いつかないと悩むことはあります。でも、個性という意味では、自分の個性も好きだし、人の個性も同じように好きです。
ただ、もし私が花火の世界に入ったら、花火の個性については葛藤するかもしれません。歌の場合は、自分では選べない、生まれ持った声や体も表現の一部になります。一方で花火は、培ってきた経験や磨いてきたセンスが作品に表れる。そう考えると、何を“自分らしさ”として磨いていくのかは、悩むだろうなと思いました。
――今回は4年半ぶりの『ザ・ノンフィクション』のナレーションです。どんな心構えで臨みましたか?
一度担当させていただき、温かいチームだということは分かっていたので、前回ほど緊張はしませんでした。ただ、読み方や声のトーンによって、番組の印象や登場する方々の見え方が変わるかもしれない、という意識は強くありました。
「ここは、どのくらいのトーンで読むのが、登場人物の気持ちに合うだろう」と考えながら臨みました。番組で描かれるのは生身の人の人生ですから、歌とは違う距離感で、登場する皆さんに、寄り添うように読みたいと思いました。
――前編の見どころを教えてください。
新人花火師の皆さんが花火の世界に身を置こうとした事情は、それぞれ違います。転職してきた方も多く、もともとの別の人生があったうえで、皆さん花火にひかれるものがあって、この世界に飛び込んでいる。そこで切磋琢磨している姿は、どんな仕事をしている方が見ても、心を動かされると思います。
一方で、すでに花火師として“伝説”になっている廣瀬さんの存在も、すごくかっこいいと思いました。
それぞれに作りたいものがあって、思いがある。花火に個性が出るのは、それぞれの方の生きざまや思いがあるからなのだと感じました。そこに注目していただきたいです。
――最後に、現在ヨルシカとしてライブツアーの終盤にさしかかっていますが、今年の残りはどんな過ごし方をしたいですか?
まずは、残っている千葉での公演を、お客さんの笑顔があふれるものにしたいです。みんなで楽しんだ体験を、自分自身、生涯忘れないものにできたらいいなと。
それが終わったら、何も予定がない日を過ごしたいですね。それこそ、思い立ってちょっと遠くまで花火を見に行ったり、朝にコーヒーが飲みたいと思ったら、ふらっとカフェに行ったり。日常を謳歌したいです。
<YouTube「フジテレビドキュメンタリー」では、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。8月16日(日)14時~「花火師になりたくて~僕と私が打ち上げる夢~」予告>
無料配信スケジュール
7月19日・26日放送「就職先はさる軍団3~怒られない時代に芸を磨くということ~」前後編(語り:志田こはくさん):8月23日まで
8月2日・9日放送「クズ芸人の生きる道」前後編」(語り:吉田美月喜さん):放送直後〜9月6日まで
