同じ頃、白馬は佃将道(東根作寿英)の情報をつかむ。かつてのヤンキーが大きく道を逸れている可能性を懸念しながらも、3人はマチルダ失踪の真相を突き止めるべく会いに行くことに。
佃は、昔の尖りを一切感じさせないほど温和になり、地域でも評判の介護施設を経営していた。彼は中学時代の“若気の至り”を深く反省し、紀介に対しても心からの謝罪を口にする。
紀介は佃にマチルダのことを尋ねる。紀介たちと衝突してから、一度だけマチルダが家に乗り込んできたことがあると答える佃。だが、不良として突っ張っていた自分も、女性であるマチルダの前では弱く、ただ顔を真っ赤にすることしかできなかったという。
しかも、佃は酒が一切飲めないことがわかり、江藤の証言した男とは一致しない。
過去を反省し和解を提案する佃(東根作寿英)に紀介(津田健次郎)は…
紀介は「キクハラ理容室」の外からマチルダを見ていた理由を問う。すると、佃が見惚れていたのはマチルダではなく、祥子だったことが判明。さらに佃は、かつて紀介にカンフーで殴り返されたことがある、との記憶を明かした。
雄太たちも、紀介自身も妄想だと思っていた記憶。そこには、事実もあったのだ。
雄太と肇は、介護に疲弊する紀介のため、祥子を佃の施設に預けることを提案。和解の握手をしようと佃は紀介に手を差し出し、紀介もその手を取る。
しかし紀介は、佃が中学時代に自分の髪型を嘲(あざけ)笑ったこと、手下を従えて何度も自分に暴力を振るったことを思い出していた。
祥子は病死した紀介の父に代わって店を継ぎ、毎日遅くまで紀介の髪でカットの練習をしていた。紀介はそんな母の努力を侮辱し、傷つけた過去を絶対に許さないと涙ながらに言い放ち、佃の手を強く振り払う。
それを見た雄太と肇は、当時、佃に最初に手を上げたのは自分たちではなく、紀介であったことを思い出すのだった。
その後、「ガンダーラ珈琲」に移動して、紀介が仕上げた漫画原稿を読む一同。だが、雄太と肇の反応は芳しくない。紀介も、自分には表現者としての“衝動”――つまり、ものづくりに対する意欲が足りないことを自覚していた。
紀介の脳裏に、ある記憶がよみがえる。
祥子はかつてマチルダに、息子がいじめられていること、そして紀介が漫画家の道に進むように促してほしいと相談していた。
マチルダから自分が本当にやりたいことを問われた紀介は、自分が無理に漫画を描いていたことに気づき、自らの意思で原稿をゴミ箱に捨てていた。母に夢を奪われたと思っていたのは、彼自身のすり替えられた記憶だった。
正しい記憶を呼び起こした紀介は、一つの答えに辿り着く。祥子に漫画の原稿を捨てられてから、自分は無理やり夢を諦め、つまらない人生を送っていると思い込んでいたが、本当は自ら祥子と同じ理容師になるという道を選び、夢を叶えていたのだ。
帰宅した紀介は、居間でうたた寝をする祥子にやさしくブランケットをかける。しかしその瞬間、彼の胃に痛みが走って…。
一方、佃から雄太に電話が入る。佃はマチルダに好意を寄せていた人物として、映研が部室替わりにバックヤードを使わせてもらっていたレンタルビデオ店「VIDEO JUPITER」の店長(藤田真澄)の名を挙げる。
さらに、彼には前科があるという噂を聞き、雄太は戦慄して…。

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