映研時代のカンフーの厳しい練習について語り合う雄介、肇、紀介。そこで紀介は、ある記憶について語りだす。練習で鍛えたカンフーの技で、不良たちをなぎ倒したというのだ。

しまいには「坊ちゃん刈りのオタク」と揶揄し、祥子が切ってくれた自分の髪型を侮辱した、不良グループのリーダー格・佃将道(中村朗仁)に向かって気功波を放ち、撃退したという。

それを妄想だと即座に切り捨てる雄太と肇。紀介も、その記憶が誇張されたものであることは自覚していた。

佃(中村朗仁)がマチルダ(木竜麻生)に好意を寄せてストーカー化?

実は、もう一つよみがえった光景があった。それは「キクハラ理容室」でマチルダが祥子に顔そりしてもらっている姿と、それを窓の外からニヤニヤと覗き込む佃の姿。

紀介は、マチルダがかつて自分たちと揉めていた佃のもとへ話し合いに行ったことがあるという。それ以降、彼女は佃からストーカー被害に遭っていたのではないかと推測し、3人は佃について調べることを決意する。

一方、紀介は漫画に打ち込む時間を確保するため、新たな介護士・三島ひろ子(奥田恵梨華)を迎え入れる。祥子がひろ子に心を開く様子を目にし、肩の荷が少しだけ軽くなるのを感じていた。

ある日、書き上げたネーム(漫画の設計図)を雄太たちに披露しようとしていたところに、ひろ子から「祥子が行方不明になった」と知らせが入る。急いで紀介の自宅に向かった3人が探しに出ようとした矢先、祥子は無事保護された。

周囲の心配をよそに、ひろ子にいじめられているという事実無根の不満をぶつける祥子。それを見て、張り詰めていた糸が切れた紀介は、思わず大声で祥子を叱責してしまう。

紀介は雄太と肇に、祥子が見つかったことに安堵した反面、心のどこかで祥子がいなくなることを期待してしまったと吐露。雄太と肇は、そんな彼を立派に親孝行していると励ますのだった。

それ以来、紀介の筆は止まってしまう。

そんななか、紀介のもとへやってきた祥子は突然、ひろ子からいじめられているのは自分ではなく、紀介だと言い始める。さらに、認知症の彼女は、成人した紀介をまるで中学生であるかのように扱い、声をかけた。

紀介はそんな母の姿に、かつて不良に殴られて、傷だらけで帰宅した自分を心配してくれた昔の祥子の姿を重ね合わせていた。