ある日、公園で酒瓶を使って酔拳の練習をしていることが見つかり、職員室に呼び出されたユン、チェン、キンポー。江藤は、酒を飲むふりをするシーンを映画にするのは中学生にはふさわしくないと、チェンが書き上げた脚本のノートをゴミ箱に捨てる。
そして、江藤はチェンに「間違っても自分を天才だと思うな」と言い放った。
その言葉が、現代の肇の心を揺さぶる。さらに、肇の自宅にあった当時のビデオテープは未編集の素材ばかりで、いずれも1つの作品にはなっていなかったことが判明する。
雄太と紀介から励まされる肇だが、多額の借金を背負って以来、作りたいものはなく、お金のために仕事をしてきた。そんな51歳になった自分をかえりみて、江藤の言葉は正しかったのかもしれない、とこぼすのだった。
入院している江藤(石倉三郎)と再会する肇(大森南朋)らだが…
見かねた白馬は、江藤の娘・真由子(街田しおん)の連絡先を渡す。白馬が3人の元同級生・石井洋子(島崎和歌子)から聞いた話によると、江藤は生徒に体罰を加えたとして、免職の懲戒処分になっていた。
江藤は教師をクビになったあと、職をつなぎながら暮らし、今は入院しているという。3人と白馬は病院へ。そこには、かつての面影はなく、衰えた江藤(石倉三郎)が横たわっていた。
肇は江藤にマチルダのことを尋ねる。すると江藤はマチルダのことを無責任な教師だという。さらに、現代は個性や自由を重んじるどころか、みんな周りを見ながらビクビク生きている大人ばかりだ、と。
相変わらず口は達者な江藤に、最初は怒りを抑えていた肇だったが「叩いて鍛えることこそが教育」と主張する江藤にがまんしきれず、怒りをあらわにする。
それに対し、江藤は手を上げようとするが、病床に伏した今では、手を動かすことすらままならない。それを見た3人は、順に江藤の手元に頬を近づけた。
肇は思い出す。1988年、チェンは没収された脚本のノートを取り返そうと、職員室に忍び込んだ。しかし、植木の手入れを終え、チェーンソーを手にしたまま戻ってきた江藤に見つかってしまう。
それを見たマチルダはチェンをかばい、江藤と1対1で話し合う。マチルダのことが気になりながらも、走り去るチェン。その後、肇たちの部室「VIDEO JUPITER」にやってきたマチルダは、肇に「江藤先生が怒って、チェーンソーで私の首を…」と語り出す。
江藤がチェーンソーを振り上げ、マチルダを襲ったという肇の記憶は、マチルダの会話の一部始終だったのだ。
チェンはマチルダから、江藤を説得してから映画を作るように、と言われる。批判や批評をされて嫌になるくらいなら、創作者にはなれない。マチルダから「批評する側になりたいのか、される側になりたいのか」と問われるチェン。
そしてチェンは、ユンとキンポーからアイデアをもらい、酔拳のシーンに使う酒瓶をラムネ瓶に変えて…。
現代の肇は、映研の話を新たな映画の企画にしようと考える。ガンダーラ珈琲に集まった3人のもとには、肇がゴミ収集所から回収してきたビデオテープと、「ラムネモンキー炭酸拳」の台本のノートがある。ビデオテープは13本あるはずが「No.12」だけが見当たらない。
するとそこへ、真由子から電話が入る。江藤の記憶では、当時マチルダに、なにやら酒臭い男がつきまとっていたという。事件解決に有力な手がかりがつかめるかに思えたが、電話の5日後、江藤はこの世を去ってしまった。
後日、肇のもとに、さつきからオリジナル企画「丹辺中学映研物語(仮)」がボツになったと連絡が。しかし、「(肇の制作意欲が)スタート地点には戻ってきたんじゃない?」というさつきの言葉に、思わず笑みがこぼれる肇だった。

【『ラムネモンキー』公式サイト】
