<一戸慶乃 コメント>
一戸慶乃さんは、俳優専門学校を卒業後、舞台やテレビの企画・制作を学ぶためよしもとクリエイティブカレッジに入学。その後、2024年に連続ドラマデビュー。金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS)や『被写界深度』(フジテレビ)などを手がける、注目の脚本家です。
――執筆するうえで大切にしたことは?
原作でもメインになっている善隣門の「親仁善隣」の言葉はもちろんですが、ドラマでは、無視できない過去を持ったまま今をどう生きていくか、というところを問えたらと思っています。
原作者の岩井圭也先生は、「ドラマはドラマ。お任せします」と委ねてくださいました。だからこそ、原作の良さをしっかり生かせるようにと常に考えていました。Season1は、特に探偵ではないロンがメインということで、原作を読んだときに感じた、いい意味での彼の軽やかさを大切にしています。その中でも扱う題材がしっかり重い回もあり…それにどう寄り添うべきか相談しながら進めました。
人と人との距離感を描くうえで意識したのは、正解がない、というところでしょうか。だからロンも、失敗したり、踏み込み過ぎて怒られたり、スッキリ解決できなかったり、当事者になると途端にわからなくなって悩んだり…。一緒に模索していたと思います。
また、ロンと欽ちゃんの、血はつながっていないし会話も多くはないけれど、言わずもがな家族だな、というところ。ロンとマツの、なれ合い過ぎないけど羨ましいくらいの幼なじみ感がブレないようにしました。
キャラクターを描くうえでは、自己矛盾みたいなところでしょうか。キャラクターについては、どうアプローチしていくのがいいか日々模索中ではありますが…つくづく人間は、裏腹な生き物だなぁと思うので。
一番好きなセリフ?一番は悩ましいですが、ロンがある少年に「みんな、自分の持ってるもんとか持ってないもんにいちいち苦しんでる」と言うセリフがあって。結局、それ自体はどうしようもないし、どうしようもないのに悩んでしまうものですが、だからこそ自分じゃない誰かと一緒にいる、“隣人を助ける”というところにつながるのかなぁと思って、好きです。
どのキャラクターも不器用で、前に進めない過去を抱えていたりします。そんな彼らが、それを背負ったままでどう生きていこうとするのか、見守っていただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
