最大震度6強を観測した地震発生から一夜明け、9日、『サン!シャイン』が訪れたのは、強い揺れに見舞われた青森県八戸市。
市内の至る所に、地震の爪痕が残されていました。
人々の生活を支える、八戸ショッピングセンターラピアは、地震の影響で天井が崩落。
吹き抜けとなっている エントランス周辺には、崩れ落ちたガレキと共にクリスマスの装飾が散乱しています。
市内にある八坂神社は入り口の鳥居が歩道に倒れ、江戸時代に創建された長者山新羅神社でも、灯籠が倒れ、社殿の戸やガラスが割れるなどの被害に見舞われました。
長者山新羅神社 禰宜 柳川泰孝さん:
なんとか応急処置とか、修繕できるところは修繕して、正月を迎えたいなと思っております。
被害は大きな建物だけにとどまりません。
八戸市内に住む女性の家を見せてもらうと、玄関に置いていた水槽は割れ、台所では割れた食器類などの片付けに追われていました。
地震直後に撮影した写真を見せてもらうと、電子レンジが倒れ、食器棚は横倒しに…。
八戸市内に住む女性:
怖いですね、(地震)もうこないでほしいです。
断水で給食がストップ…水を使わない工夫も
地震の影響で、青森県内の公立の小中高合わせて139校が休校となっています。
震度5強を観測した、青森県七戸町の七戸中学校では、校舎の窓ガラス31枚が割れ、段ボールで一時的な補強が行われていました。
さらに、七戸町にある給食センターでは水道が断水となり、七戸町と東北町の公立小中学校に提供している約2000食分(1日)の給食が作れない状態だといいます。
公立中部上北学校給食センター 蛯名博幸所長:
きのうから水道が断水になっていまして、水がないと稼働できないものですから。給食の方、ストップしています。
9日午後7時の時点で、342世帯799人が断水の影響を受けたという七戸町。
七戸町に住む 木村生子さん:
8日の夜11時20分くらいに揺れが収まってから、下りてきて、テレビ見ながら水を出そうと思ったらもう止まっていました。
幼い子ども3人がいる、木村さん一家も例外ではありません。
電気とガスは通っているものの、断水により自宅の風呂は使うことができません。
給水所からの水を節約するため、夕ご飯は食器を洗わないで済むように、ラップを使っておにぎりを作ります。食器もラップで覆い、汁ものは紙コップを使うなど工夫も。
夫の悠平さんも、少しでも使える水を増やそうと、にんにくを熱処理する機械を使って雪を溶かそうとしてみますが…。
木村悠平さん:
雪入れといたら溶けるかなと思ってやってみたんですけど…全然溶けてない。ちょっとトイレの水にでも使えればと思っていたんですけども。
その後、9日午後7時過ぎに、断水が解消され一安心した木村さん一家。
木村生子さん:
出たー!よかったね、手を洗ってください。
「後発地震注意情報」発表 しておくべき“備え”とは?
断水も徐々に解消され、安堵の声が挙がる一方で、気象庁は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表。
「後発地震注意情報」とは、マグニチュード7.0以上の地震が発生した場合、大規模地震が発生する可能性が、平常時よりも高まったとして、地震や津波への対応など注意を促すもので、今回、想定の対象となったのは、北海道や東北地方だけではなく、茨城県や千葉県などを含めた、182の市町村に及んでいます。
政府は、今後1週間程度、地震や津波に備え すぐに逃げられる態勢などの防災対応をするよう求めています。
どのような備えを行っておけばいいのでしょうか?備え・防災アドバイザーの高荷智也氏に詳しく聞きました。
備え・防災アドバイザー 高荷智也氏:
こういった情報が出ますと、お水を買わなきゃとかトイレットペーパー買わなきゃとかそういった気持ちになるのですが、最初にやっていただきたいのは、次の巨大地震で命を落とさない準備。
例えば家が傾いている・壁にヒビが入っているということでしたら、今のうちに避難が必要ですし、家の中が家具・家電が倒れてめちゃくちゃになっている場合は、倒れた家具を同じように直すと、次の揺れで同じように倒れるので、固定器具などが今手元にないなら、倒れた物はそのまま床に置いておく、落ちた荷物も戻すのではなく箱に入れて床に置いておくとか、次の揺れで被害を出さない準備を考えてください。
次に「いつでも大きな揺れが来る可能性がありますよ」という状況が今後1週間続きますので、「今、自分が座っているところに倒れてくる物がないか、落ちてくる物がないか」そういった生活スペースを確認して、安全な空間にしておくというのが、今やっていただきたいことです。
次の巨大地震がやってきますと、津波や土砂災害のような、走って逃げないと命を守れない災害がいつでも起こる状況にあるのが、この1週間になります。
そのため、例えば寝ているときに大きい地震が起きたら素早く行動しなくてはいけないので、枕元に着替えや靴、玄関に防災リュックや十分な防寒具などを用意して、素早く家から安全な場所に逃げられるようにするのが重要になります。
今のうちにハザードマップを確認していただいて、危ないときには家を飛び出す準備をしておくのも大切です。
今、復旧が進んではきていますが、次の大地震で再び停電・断水などが起きる、そうした事態への備えとして、日頃から最低3日分くらいの備蓄は用意していただきたいですし、ないなら今のうちに補充してください。
今の季節は停電すると寒さで命を落としかねませんので、十分な暖房器具などを準備するなど、そういった見直しをしていただきたいなと。
(『サン!シャイン』 2025年12月10日放送より)
