ドラマ本編ではなかなか見ることのできない、カウンターの内側にも入ってみました。
きれいに磨かれたカウンターから、風呂須と仮歯の丁寧な仕事ぶりが伺えます。
後ろには「Blue Mountain」「Ethiopia」などとラベルの貼られたコーヒー豆が。カップとソーサーは白色でシンプルなデザインです。
これも手作り!?じっくり見たい「テンペスト」アイテムの数々
カウンターを出て横のスペースには、ジャズ喫茶ならではとも言えるレコードがずらり。レコードは、1980年代に揃えているであろうものを集めたのだそう。
店内はどこを見渡しても、上品で美しいインテリアであふれており、思わずコーヒーでくつろぎたくなるような空間です。
そして、細部にも美術・装飾スタッフの並々ならぬこだわりが詰まっています。たとえば、店の入り口へ続く通路脇の電話コーナー、そして店奥のレジまわりにも注目。
スナック「ぺログリーズ」、おばばの案内所、リカのアパートにもこだわりが
本作は通常のドラマと比べてロケが少なく、セット内での撮影が多いため、視聴者を飽きさせないために、細部まで特にこだわって作っているそう。棈木さんは「八分坂の屋外セットは全体的に、生活感、猥雑感、レトロ感が共通のテーマ。屋内セットの窓の外に、街のネオンや、くすんだ灯(あか)りなどを感じさせて、八分坂の空気感が出るように心がけました」と明かします。
また、ケントちゃん(松田慎也)がウェイターを務めるスナック「ぺログリーズ」は、棈木さんいわく「アメリカにあこがれていた1980年代当時のポップな感じを、場末のスナックにミックスさせた空間にした」のだとか。
おばば(菊地凛子)がいる案内所については、「プレハブを間借りして“何年も経ってしまった謎の空間”を表現しました。おばばの世界観は装飾・稲場さんのセンス」といいます。
稲場さんは「当時は、今のような形式の無料案内所がなかったそうなので、このセットはとても自由に飾れました。おばばのキャラクターも考えながら、萬屋(よろずや)的で妖(あや)しい空間ができるよう飾りました」と明かしました。
また、登場シーンは少ないですが、アパートの倖田リカ(二階堂ふみ)の部屋も、稲場さんによると「(二階堂さん)ご本人も下見にいらっしゃり、お話をした上で飾りをつけました。小さいながらも、こだわりの詰まったセットになっています」とのこと。
今後の放送や見逃し配信では、ぜひ美術セットにも注目してご覧ください!

