――演じるうえで難しそうだと感じていることはありますか?
全部です(苦笑)。原作も台本も素晴らしいので、なるべく言葉を崩さず、いまの時代に落とし込んで、オリジナリティある作品にしたい。そのためには超えなければいけないハードルがいくつもあるので、難しい挑戦になると思います。

――戦後が舞台の作品ですが、令和に通じるものはあると思いますか?
思います。僕はこの作品から、「生きたいけれど死にたい」みたいな、生きることに対しての揺れをものすごく感じました。どの時代も、みんなそれなりに悩みを抱えて生きていて、でも結局、力強く生きていかなきゃいけないというのは、たぶん変わらないんじゃないでしょうか。
この作品には“生きるための強さ”みたいなものが詰まっているので、観るときっと何か感じるものがあると思います。特に今の時代、生きることに揺れている人には刺さるかもしれません。
北山宏光 バラエティ番組共演者との初芝居に「まだピンときていない」
――共演者のみなさんの印象を聞かせてください。
渡辺さんは初めてお会いしますが、年齢も近いですし、仲良くなれるといいなと思っています。
ほかのみなさんは、芝居で共演するのは初めてです。横山由依さん、佐藤仁美さん、阪口珠美さんはバラエティ番組でお会いしたことがあって、岡田結実さんはお父さんと一緒に仕事をしたことがあります。大鶴義丹さんは『アウト×デラックス』(フジテレビ)に出演されていたとき、僕も別番組の収録日がいつも同じで、よくスタジオの廊下でお会いしていました。
もれなく全員バラエティですね(笑)。だから一緒に芝居をするっていうことに、まだちょっとピンときていないですが、とても楽しみです。

――劇場に足を運んでくれるみなさんに、観劇後はどんな気持ちを抱いてほしいですか?
受け取り方は人それぞれだと思うので、なんと言ったらいいか…思わずため息が出るような…って言葉にすると、ちょっと軽くなっちゃいますけど(苦笑)。
僕自身は、劇場を出て、電車に乗って、家に帰ってご飯を食べて寝るまで、ずっと「あぁ、良かったなぁ」ってため息が出てしまうような舞台は、素晴らしいなと思っていて。そんな、ため息が出続けてしまうような作品にできたらいいなと思います。
撮影:今井裕治
ヘアメイク:大島 智恵美
スタイリスト:柴田 圭
衣装:ジャケット ¥96,800、パンツ ¥59,400(すべて税込)/いずれも「MAHITO MOTOYOSHI(JOYEUX)」/問い合わせ先:JOYEUX(03-4361-4464)
『醉いどれ天使』公演概要

原作:黒澤明 植草圭之助
脚本:蓬莱竜太
演出:深作健太
出演:北山宏光
渡辺大、横山由依・岡田結実(Wキャスト)、阪口珠美
佐藤仁美、大鶴義丹
【東京公演】2025年11月7日(金)~23日(日)/明治座
【名古屋公演】2025年11月28日(金)~30日(日)/御園座
【大阪公演】2025年12月5日(金)~14日(日)/新歌舞伎座