映画『秒速5センチメートル』完成披露試写会が9月17日に行われ、主演の松村北斗さん、高畑充希さん、森七菜さん、青木柚さん、木竜麻生さん、上田悠斗さん、白山乃愛さん、宮﨑あおいさん、吉岡秀隆さん、奥山由之監督が登壇。さらに、原作の新海誠さんがサプライズ登場しました。

左から)吉岡秀隆、木竜麻生、青木柚、森七菜、松村北斗、高畑充希、上田悠斗、白山乃愛、宮﨑あおい、奥山由之監督 

本作は、新海さんの劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(2007年)を実写映画化したもの。 主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描き、“新海ワールドの原点”との呼び声も高い作品です。

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松村北斗「やっと安心して一歩進める」新海誠の言葉にホッ

イベント中盤、大きな拍手で迎えられた新海さんは「原作者が出しゃばるのは良くないなと思ったんですけど、みなさんにお礼だけ言いたくてお邪魔しにまいりました。素晴らしい映画をありがとうございます」とあいさつ。

本作では、主人公・遠野貴樹を松村さんと上田さん(幼少期)が、ヒロインの篠原明里を高畑さんと白山さん(幼少期)が演じています。

新海さんは「貴樹がどういう男か、明里がどういう女性か、よく分からないまま作っていました。キャラクターを描くというのがどういうことかも分からず。でも映画を見たら、(その答えを)北斗くんと高畑さん、奥山監督に教えていただき、ようやく知り得たような気がしました」と、しみじみコメント。

松村北斗

これを受けて松村さんは「原作がある以上、やはり“原作者の方にとっていい映画”って必要というか、大切にしたいものだと思いながら現場にいました」と、深海さんへのリスペクトを語ります。

続けて「新海さんが原作者であるということが、(出演への)不安の理由でもありました。でも、こういう感想をいただくと、やっと安心して“次はお客さんに向けて”と、一歩進める」と、安堵(あんど)の表情を見せました。

高畑さんも「私も正直、明里ってどんな人だろうと分からない要素が多くて。でも、新海さんも『分わからない』っておっしゃっていたので、ちょっとホッとしました」と、顔をほころばせました。

高畑充希

また、松村さんは『すずめの戸締まり』(2022年)、森さんは『天気の子』(2019年)、吉岡さんは『雲のむこう、約束の場所』(2002)年と、それぞれ新海さんの作品に声優として参加した縁があります。

新海さんは森さんについて「映画『国宝』観ましたよ!『国宝』のなかでは、ものすごく大人っぽい役をやっていらっしゃって、『秒速5センチメートル』のなかでは、高校生の花苗になっていて。七菜ちゃんの天才性を目の当たりにしました」と絶賛。

森さんは「身にあまるお言葉です。こうして舞台あいさつに、新海さんと一緒に立たせていただくのが、とても久しぶりで嬉しいです」と満面の笑みを見せました。

新海誠

そして新海さんは、自身の商業長編アニメデビュー作である『雲のむこう、約束の場所』の主演を吉岡さんにオファーしたことを回顧。

「何も知らなくて怖いのも知らずで、一番好きな声の人だからと吉岡さんにお願いしちゃったら、まさかOKくださって。子どもの頃からずっと吉岡さんが好きで、ドラマ『北の国から』が原点でした」と明かしました。

そして、今回の『秒速5センチメートル』について「僕の一番好きな声の北斗くんと、一番好きな声の吉岡さん、彼ら2人が同じ画面のなかで会話を交わしていて、僕にとって特別なご褒美」と、うれしそうに語りました。