森七菜さんが、「とても楽しかった」という共演者との思い出や、自身の高校時代の記憶について語りました。
明るく自然体な魅力と高い演技力でさまざまな表情を見せ、話題の映画『国宝』にも出演している森さんが、映画『秒速5センチメートル』で恋する高校生を演じます。
本作は、新海誠さんの劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(2007年)を実写映画化したもの。 主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描く、“新海ワールドの原点”との呼び声も高い作品です。

森さんが演じるのは、貴樹(松村北斗、青木柚、上田悠斗)と同じ種子島の学校に通う高校生・澄田花苗(すみだ・かなえ)。サーフィンが趣味で、貴樹に恋心を抱く少女です。
森さんにインタビューを行い、出演オファーを受けた際の気持ちや、共演の青木柚さん、宮﨑あおいさんの印象、思春期の頃の記憶などについて聞きました(前後編の前編)。
森七菜 学生時代は「前髪1本が未来を左右すると思っていた」
――出演オファーを受けて、どのようなことを感じましたか?
最初にお話をいただいたときは、「実写化するんだ!」という驚きが大きくて、そればかり考えて、しばらく時間が経ってから「そうだ、花苗役をお願いされているんだ」と我に返りました。
『秒速5センチメートル』は、もともと私も大好きな作品だったので、もしこのチャンスを逃したら悔いが残ると思いました。また、奥山由之監督とお会いして、この作品への深い愛を感じたので、花苗を演じることに恐怖がなかったと言ったらウソになりますが、これはやらないといけないと思い、喜んでお受けしました。

――花苗は森さんから見て、どのような女の子ですか?
ピュアで混じりっ気がないと思います。得意のサーフィンで、波の上に立てたら貴樹に告白すると決めているところが、もう。
サーフィンは海と自分にじっくり向き合うスポーツですし、海には危険も潜んでいます。そういう場所で、1人で戦っているところが、彼女の強さだと思います。一見すると可愛い性格の女の子ですが、ちゃんと自分のやりたいことがあって、その軸の1つに貴樹がいて。彼の存在が、花苗のなかでは本当に大きいのだと思います。

――花苗の、好きな人の前でモジモジしてしまう仕草など、恋する女子高生のリアルな姿が印象的でした。演じる際に、どんなことを意識しましたか?
学生のときって「うわぁ、前髪バラバラだったから嫌われたかも!」って、髪の毛1本が自分の未来を左右すると思っていましたし(笑)、「あの時、あんなこと言わなければよかった!」と後悔する気持ちが、今よりもっと強かったと思うんです。

そういうピュアな思いと、思春期に好きな人・物にハマる熱量、でも経験値がなくてどうしたらいいか分からない、あの感じをすごく覚えていて。あの時にしかなかった輝きみたいなものは、自分のなかで大事にしているので、学生時代を必死に思い出しながら演じました。