映画『秒速5センチメートル』完成報告会が8月27日に行われ、主演の松村北斗さん、高畑充希さん、森七菜さん、上田悠斗さん、白山乃愛さん、宮﨑あおいさん、吉岡秀隆さん、奥山由之監督が登壇しました。

左から)宮﨑あおい、森七菜、上田悠斗、松村北斗、高畑充希、白山乃愛、吉岡秀隆、奥山由之監督

本作は、新海誠さんの劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(2007年)を実写映画化したもの。 主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描き、“新海ワールドの原点”との呼び声も高い作品です。

松村北斗「声量が大きいほうでは…」ある現場での“ファン”を気遣う

松村さん演じる遠野貴樹の幼少期を演じるのが、オーディションで約500人のなかから選ばれ、本作で演技初挑戦となった上田さん。上田さんは松村さんの大ファンだそう。

左から)上田悠斗、松村北斗、高畑充希

松村さんいわく共演シーンはなかったものの、現場で会った際の上田さんについて「緊張してたのかな?会話はいっぱい(しなくても)いいです、みたいな雰囲気があって…」と振り返りました。

上田さんは、雑誌の取材現場にも「慣れていないから」と見学しに来てくれたそうで、松村さんは「そこで会話はいっぱいできたんですけど、1回も『好きなんです』っていう言葉は聞けていない」と明かしました。

松村北斗

さらに「イスを横に持ってきて座ったらいいじゃない?って言ったんですけど、(上田さんは)『僕はここでいいです』って、そこそこ離れた場所に座って。僕、そんなに声量が大きいほうではないので、聞こえていなかったと思うけど、聞こえてた?」と尋ねました。

上田さんがうなずくと、松村さんは「耳がいいんですね」とニッコリ。さらに、上田さんがMCから「松村さんのことは好き?」と聞かれて「はい、好きです」と答えると、松村さんは「嬉しいですね、聞けてよかったです」と笑顔を見せました。

吉岡秀隆「北斗くんは謎のままでいて。彼に出会えたことが財産」

吉岡さんは、松村さんと共演した感想について「テレビでついパッと見ちゃうけど、彼のことを知りたくない。僕のなかの北斗くんは謎のままでいてほしい」とコメント。

左から)白山乃愛、吉岡秀隆、奥山由之監督

「現場では、彼だけが持っている孤独感みたいなものをチラチラと見ていました。なんてことない会話の語尾や、ふとした瞬間、誰も見ていないような景色を見ている彼の姿を垣間見て、『北斗くんをあまり知りたくない』と思った。そんな彼に出会えたことが財産です」と語りました。

これに松村さんは「ちょっとピンとこない…」と戸惑いつつも、「そう見ていてくれた、言葉を耳に入れてくれていたんだ、というのが嬉しい。お芝居中に、忘れられない声色で声をかけてくれたのが嬉しかった」と、吉岡さんとの共演を喜びました。

左から)宮﨑あおい、森七菜

そしてイベントでは、「大切にしていきたい思い出は?」という質問も。

松村さんは、映画を好きになったきっかけが、岩井俊二監督の映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』で、その後、岩井さんの映画に出演した際は「ものすごく不安で正解もわからない、苦しい日々の連続」だったと話しはじめました。

その映画でクランクアップした際、帰り支度をしている松村さんのもとに岩井監督が来て「素晴らしかった」と誉めたあと、ある行動に出たといいます。

「お財布を持って、小走りで何かを探し始めて。自動販売機でビールを2本買ってくれました。『乾杯しよう』って言ってくれて飲んだビールが、とてつもなく人生に染みて。いまだに、お芝居に参加させてもらって嬉しいときも思い出すし、しんどいとき、うまくいかないときも『ああいう奇跡に巡り会えるように頑張ろう』と思い返します」と、しみじみと語りました。