宮﨑あおいさんが、作品への出演を決めた理由や、種子島ロケでの思い出について語りました。
豊かな表現力とキャリアを重ねても失われない透明感で多くの人を魅了し、映画やドラマ、ナレーションなどで存在感を放っている宮﨑さんが、映画『秒速5センチメートル』に出演します。
本作は、新海誠さんの劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(2007年)を実写映画化したもの。 主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描く、“新海ワールドの原点”との呼び声も高い作品です。

宮﨑さんは、貴樹(松村北斗、青木柚、上田悠斗)が通う種子島の高校の教師で、貴樹に恋する高校生・花苗(森七菜)の姉でもある、輿水美鳥(こしみず・みどり)を演じます。
宮﨑さんにインタビューを行い、本作への意気込みや、松村さん、高畑充希さん、森さんら共演者の印象などについて聞きました。
宮﨑あおい 直感を信じて参加「仲間に入れてもらえて良かった」
――出演オファーを受けた際の気持ちを聞かせてください。
自分もこのチームに入りたい、と思いました。奥山由之監督もそうですし、いつもお世話になっているヘアメイクさんもいらっしゃって。こういう時の直感は正しいことが多いので、ぜひ参加したいとお伝えしました。
『秒速5センチメートル』は原作アニメーションのファンがとても多い作品ですが、奥山監督にお会いしたとき、原作へのリスペクトをとても感じました。そのような思いを持っている方が実写映画をつくるなら、きっといい作品になるのではないかなと強く感じたことも、参加したいと思った大きな理由の1つです。

――実際、撮影現場に入り「参加して良かった」と思いましたか?
はい。奥山監督がもの作りを純粋に楽しんでいて、とにかく楽しそうだったので、みんなもそれに引っ張られて「監督が求めているものを、力を合わせて作り上げたい」という思いで一致団結していました。なので、お話をいただいたときも嬉しかったですし、出来上がった作品を観たときはさらに、この作品の仲間に入れてもらえて良かったと思いました。
監督の要望で日焼けも「美鳥さんに近づけた1つの大きな要因」
――美鳥は種子島で働く高校教師です。演じてどんなことを感じましたか?
森さん演じる花苗の姉という役なので、撮影で森さんを見つめている時間が長かったと思います。私はほとんど種子島で撮影していたのですが、本当に景色が素晴らしくて、種子島の自然に助けられました。

実は、奥山監督から「肌を少し焼いてもらうことはできますか?」と相談を受けたので、「もちろん焼きます」と答えて。その時期はずっと日焼けしながら過ごしていたのですが、種子島から帰る頃はもう真っ黒に。
日焼けした肌の感じも、美鳥さんに近づけた1つの大きな要因だと思うので、それも含めて種子島が私を美鳥さんにしてくれたのだと思います。

――美鳥は東京でのシーンにも登場しますが、こちらの撮影はいかがでしたか?
種子島から少し期間が開いて、東京の撮影があったのですが、種子島とまったく別の作品を撮っているのかなと思うくらい違って。
種子島では、(青木)柚くん演じる高校時代の貴樹と、森さん演じる花苗の青春を見ながら過ごしていましたが、東京では役もキャストの方たちも大人になり、静かな落ち着いた気分で撮影が進んでいった記憶があります。どちらも楽しかったです。