高畑充希さんが、出演オファーを受けた際の率直な気持ちや、自身の思いの伝え方について語りました。

抜群の歌唱力と演技力で舞台に映画、ドラマと幅広く活躍し、話題の映画『国宝』にも出演している高畑さんが、映画『秒速5センチメートル』でヒロインを演じます。

本作は、新海誠さんの劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(2007年)を実写映画化したもの。 主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描く、“新海ワールドの原点”との呼び声も高い作品です。

(C)2025「秒速5センチメートル」製作委員会

高畑さんは、貴樹(松村北斗、青木柚、上田悠斗)と小学生のときに出会い、現在は東京・新宿の紀伊国屋書店に勤める書店員・篠原明里(しのはら・あかり)を演じます。

高畑さんにインタビューを行い、本作への意気込みや、共演の宮﨑あおいさん、吉岡秀隆さんの印象、作品にちなみ自身の気持ちの伝え方について聞きました(前後編の前編)。

高畑充希 明里役に「最初はピンとこなかった」

――出演オファーを受けた際の気持ちを聞かせてください。

この有名なアニメーションを実写化するということに、とてもびっくりしました。全然想像がつかなくて。アニメは見ていましたが、正直、自分と明里さんがあまり結びつかなくて、最初はピンときませんでした。でも台本を読んだら、アニメの良さを残しながらも、登場人物それぞれの人生がとても素敵に描かれていたので、ぜひ参加したいと思いました。

――明里は高畑さんから見て、どのような女性だと思いますか。

アニメーション版では、明里さんの登場シーンはそんなに多くないんです。それでいて、彼女自身というより、貴樹くんから見た“素敵な部分だけを切り取った明里さん”を見せてもらっている感じがして。まるでクラスのマドンナのような印象だったので、最初は「私と全然違う」と思いました。

(C)2025「秒速5センチメートル」製作委員会

――となると、演じる際にあたり、想像で膨らませていく部分も多かったのでしょうか。

そうですね。でも台本に、明里さんは本が好きで、書店で働いていて、天体も好きで…といろいろ書いてあったので、どんな女性なのか見えてきました。過去は良い思い出として大切にしまって、今の人生を精一杯楽しむ。生き方もさっぱりしていて素敵ですし、そういうところが私は好きだなと思いました。

だから、良い意味で普通の人だけれど、貴樹くんにとっては唯一無二の存在だったのかもしれません。アニメーションのイメージに引っ張られすぎないように、「こんな人いるだろうなぁ」と思いながら演じました。