梅沢富美男さん主演、土ドラ『浅草ラスボスおばあちゃん』は、日向松子(梅沢)が、失敗したり、空回りしたりしながらも、体当たりでキュートにハートフルに問題を解決。松子自身も、老後の孤独や人生の意味に向き合いながら少しずつ成長していく、人情味あふれる痛快リスタート物語!

<試写室>『浅草ラスボスおばあちゃん』最終話

とうとう最終回となってしまった『浅草ラスボスおばあちゃん』の、その“良さ”を改めて振り返ってみましょう!

①“おばあちゃん”を演じるのは梅沢富美男さんなのに、普通におばあちゃん

② 経験豊富な“おばあちゃん”とはいえ、“いいこと”ばかりは言わない

③というより、“おばあちゃんのいいこと”ですべてを突破しない

④なんなら“おばあちゃん”だってのに、毎回反省しちゃう

⑤よくよく振り返ってみると“おばあちゃん”毎回そんなに活躍してたかな?とすら思う

⑥うん、そう!『浅草ラスボスおばあちゃん』とは、そんな“やさしい世界”のドラマ!

最終回を目前に控えた「試写室」だから、もっと丁寧に振り返るのか?と思いきや、急に⑥で投げやりになってしまいましたが、そんなことはいいのです(よくはない)。その①~⑥までの、ラスボスおばあちゃんの“良さ”を踏まえての、最終回のあらすじを見てみましょう。

ラスボスおばあちゃんこと松子おばあちゃん(梅沢富美男)たちが住むシェアハウスが区の防災プロジェクトの一環で立ち退きの危機に!?という不穏。

しかも、それを推し進めるのは、今作唯一の悪キャラといっていい熊田区議(遊井亮子)に指名されてしまった森野さん(堀田茜)という不穏。

で、案の定、熊田区議は現大臣と大手建設会社の利権に乗っかる予想を裏切らない悪人で、それに森野さんが利用されつつあるという不穏。

でもって一方、前回やんややんやで区役所の業務をクビになってしまった長谷川さん(堀井新太)は、以前逮捕された熊田区議の元秘書から“切り札がある!”とかなんとか重要な情報を入手してしまうという不穏。

不穏に次ぐ不穏!最大のクライマックス!!ラスボスおばあちゃん、立ち上がる!!!

うんうん、はいはい、もうおわかりでしょう(わかんないよ!)。

そうです!『浅草ラスボスおばあちゃん』の最終回のあらすじ、ちっとも、その“良さ”がなさそう!!だってだって、なんか最終回だからって、“悪人”を明確にし始めちゃって水戸黄門的展開になりそうだし、それもそうだけど、そこになんだか無理矢理、森野さんが巻き込まれちゃうという作劇感に加え、あんなに“やさしい世界”だったはずなのに、不穏に次ぐ不穏で、急にサスペンス感まで醸すし、最終的にラスボスおばあちゃん立ち上がっちゃうし(それは僕の書き方の問題)、なんだか、やっぱりこのドラマらしくないクライマックス感出しすぎ~!!!そんなんじゃない!!!

って、思ってしまったみなさん!!いや、そう勝手に思って、疑ってかかった、視聴前の僕!!『浅草ラスボスおばあちゃん』が、そんな、そんなありがちな勧善懲悪の急なヒーローものに、仕立てるわけがないじゃないですか!?あの“やさしい世界”が急転直下の不穏物語になるわけがないじゃないですか!?(自分で言っといて)

うん、そうです。このドラマは最後の最後まで、最終回前に投下された不穏×不穏の連続があったって、“やさしい世界”を微動だにしないのです。