梅沢富美男さん主演、土ドラ『浅草ラスボスおばあちゃん』は、日向松子(梅沢)が、失敗したり、空回りしたりしながらも、体当たりでキュートにハートフルに問題を解決。松子自身も、老後の孤独や人生の意味に向き合いながら少しずつ成長していく、人情味あふれる痛快リスタート物語!

<試写室>『浅草ラスボスおばあちゃん』第10話

ラスボスおばあちゃん(梅沢富美男)の相棒、森野さん(堀田茜)の気持ちを慮(おもんぱか)る――。

だいたいこういう、非恋愛ドラマにおける、非モテポジションのキャラクターによる、恋愛パートって、全然うまくいかないのが、デフォルトなんですよね(急に)?しかも、今回のそれでいうところの森野さんってキャラは、そこにびっくりするほど当てはまってるんですよね(結構、失礼)?

森野さんって、容姿端麗で仕事だってできるし、将来安定の公務員だし、なんならツッコミまでうまい…なんだけど、恋愛には興味なさそうで、むしろこれまでもさして恋愛経験はなさそうな、非モテキャラですからね(いろいろ失礼)。

で、なぜ、そんな非恋愛ドラマにおける、非モテキャラの恋愛が成就しないか?って、それは、そんな話、そんな展開、邪魔だからですよ(おい!)。非恋愛ドラマにおける、非モテキャラの恋愛ドラマはただのコメディリリーフであって、実際にそれを進行させたって、なんか見てる作品違う!ってなるし、なによりコメディの中のそれは、なんだかもう、生々しいってなるじゃないですか?

ましてやこのドラマ、『浅草ラスボスおばあちゃん』ですからね?そんな世界線に、そんなドラマに、森野さんの恋愛パートなんて、おまけでしかないし、あの森野さんが普通に恋愛ドラマのようにキュン!ってなって、しまいには結ばれました!ってんなら、なんかとっても生々しいじゃないですか。

で、それは、ラスボスおばあちゃんを邪魔しちゃうじゃないですか?ねぇ(そんなこともないと思うけど)?

うん、そう。改めてもう一度、はっきりと申し上げますが、『ラスボスおばあちゃん』における森野さんの恋愛パートは成就するはずがない!!ただのおまけ!!なわけです。つまり、結ばれないとかそんなの、最初から、最初っからわかりきってた!!ことなんですよ(最初から最後まで失礼の極み)。

いやいや、だけどだけど、そんなこと僕はわかってた??んですよ??んなこたぁ、百も承知??だったんですよ??

第1話で、森野さんが登場して、そのキャラクター性が判明して、ほんのり恋愛モードに入りかけた…あの瞬間から、僕はその先の結末なんてわかり過ぎている。何度見たか知れない、非恋愛ドラマの非モテキャラの、成れの果てだ(成れの果て言うな!)って、わかりきってたんですよ?!

いや、だけどだけど、だけどもだけども(はよ言え!)、さすがに、さすがにさすがに、長谷川さん(堀井新太)は、長谷川さんのキャラは卑怯よな!?あんな感じで、終盤、あんなふうなあんな感じになるのは(説明になってない)、いくらなんでも、いくらなんでも卑怯よな!?

いやだって、この『浅草ラスボスおばあちゃん』において、悪い人キャラはただ一人――熊田区議(遊井亮子)であり、それ以外のキャラクターはみんないい人、最初はつっけんどんだったすみれちゃん(朝日奈央)ですら、ホントはいい子…なんだから、熊田区議以外は、みんなみんないいひと!!ってことで相場は決まったじゃないですか。

で、そんななかでの、長谷川さんは、容姿や言動振る舞い、何をとっても、まぎれもなくいい人だったじゃないですか。とはいえ、若干、唯一、長谷川さんは、なんでか区の職員ではなく、コンサルという立場…ってのが、若干の怪しさを醸してたっちゃあ、醸していたけれど(コンサルの人に謝れ!)、だとしても、あの感じは、いい人で確定じゃないですか。

だから、森野さんが気になる存在になっちゃうのもわかるし、その先の、ホントはわかりきってる展開…という嫌な予感がかすめたとしても、長谷川さんなら大丈夫!って思うじゃないですか?ねぇ?誰もが、そう思うじゃないですか?!ねぇ!?(誰に)

で、ありながらしかし、よくよく振り返ってみますと(急に)、私たちはあのときに、あの展開の時点ですでに、気づくべきでした…あの、急に、森野さん宅へ行こうとかなんとか言ってきた、あの、大した脈略もないのに、急に森野さん宅=つまりは、松子おばあちゃんも住むシェアハウスへやってきた、あのとき!あの瞬間に!私たちは、気づくべきだったのです!!

あのとき、我々は気づくべきだったのです(大げさ)!!シェアハウスに住む女性だからつったって、簡単に女性宅へ上がりこむ!そんな男、そんな男に、ろくなやつはいない!!いろいろすっ飛ばして女性宅へ行く男=ろくでなし!!だということを!!!

おっと、森野さんの気持ちを慮っていたら(慮っていたのか?)書き始めた当初の結論ではなく、ただただ長谷川さん、やなやつじゃね?なんなのアイツ?(アイツ言うな!)になってしまいました。大変失礼いたしました。

長谷川さんは、単純な、やなやつではなく、松子おばあちゃんの妹の息子、松子おばあちゃんが出て行った呉服屋の跡取り息子だったもんだから、松子おばあちゃんに秘めた思いがあり、森野さんへの下心とかなんとかまったく関係なしに、松子おばあちゃんを詮索するために、シェアハウスへ行ってたということだったんだけれど…。

いやいや、だけど、あのときはまだ確信はなかったわけじゃん(どのときだよ)?やっぱ、やっぱり?あのとき?あのよくもわからない理由でもって?女性宅へ!?やすやすと!?行っちゃう?!行けちゃう!?あの!?あの長谷川の言動(呼び捨てにすな)!?

松子おばあちゃんへの私怨を差し引いても、長谷川、それにしてもちょっと俺はどうかと思うぜ(結局、もとに戻る)!?

おっといっけない。堂々巡りになってしまいました。今回の第10話を放送したら、次回が最終回、つまりは超クライマックス展開へ入った第10話だというのに、ここへきて、僕自身の長谷川への私怨で試写室を埋めてしまいました。大変申し訳ございませんでした。