2025年5月6日、GWの最終日、愛知県のショッピングセンターに集まった1000人ほどの人だかりのお目当ては…深編みがさに侍姿でサックスを吹く人物。

包み込むような優しい音色で観客を魅了するのは、ストリートミュージシャン・サックス侍です。

動画の総再生回数1000万回以上、メディアでも取り上げあげられるなど地元・愛知のみならず全国で知名度が急上昇中の“侍”は、いったい何者なのか?

『サン!シャイン』は、ベールに包まれた…もとい、“かさ”で隠されたその“素顔”を、密着取材しました!

サラリーマンと“侍”二つの顔

顔出しはNGということで、イラストにするとスタッフが告げると「シュッとしたイケメンでお願いします」と注文が。

以前は顔を出して活動していたという彼が“サックス侍”になったのは、5年ほど前のコロナ禍の頃だったといいます。

サックス侍:
ちょっとフェイスシールドをつけようかなって思った時に、たまたまこいつが思い浮かんで。僕、口で歌えれば大体吹けるので、あんまり楽譜は読めないんで。耳コピの方が早いです正直、楽譜いらないから、このカッコができるってのがありますね。

私生活では、妻と2人の大学生の子どもがいるというサックス侍。
結婚後やめていたサックスを再び演奏するきっかけは、子どもの一言でした。

サックス侍:
うちの子どもが、「パパみたいにやりたい」みたいな感じでサックスやりたいって言ってくれて。自分の音を極めていくみたいなところで、昼はサラリーマンで夜はサックスプレイヤーみたいなのを目指そうかなって。

現在はサラリーマンとミュージシャンの二刀流の生活を送っています。

昼間、仕事場にお邪魔すると、パソコンを前に真剣な表情。
聞けば、ウェブマーケティングが本業で、その経験を生かして、「サックス侍」のブランディングを行っているとい言います。

サックス侍(職場にて):
「サックス侍に何でしたか」っていうところも、検索エンジンの対策とか考えて作っているところもありますし。SNSで“バズりやすい”というところも。
商品やサービスではなくて、“自分を商品としてマーケティング”したらどうなるのかなって実験で始めてたというところも、サックス侍には実はあったりします。

仕事の休憩時間にはジムに行き、体づくりにも余念がありません。

サックス侍(ジムにて):
昼休みに体を鍛えることによって、実りある時間を過ごせるようになるみたいな。
時間を詰め込んで要領よくやっていくと、アーティスト活動をしながら、会社員も続けられる。これも仕事の習慣ですね。

仕事が終り、「侍」に変身するためにある場所に移動します。
到着したのはトランクルーム。わざわざこの場所で変身するのには、彼なりの“こだわり”があるといいます。

サックス侍:
サラリーマンから侍に変わる瞬間なので。スーパーマンが、電話ボックスで着替えてヒーローに変わるみたいな感じで。

着替えを終えバイクで向かったのは、週3回ほどライブを行うホームグラウンドの「鶴舞公園」。名古屋市民に愛される歴史ある公園です。

演奏を始めると、その音色に誘われるかのように次々と観客が集まってきました。

聞きに来たファン:
日々バタバタしているんで、仕事とかでも。やっぱり、こういうつかの間の癒やしが、すごく救われます。

聞きに来たファン:
保育園で働いているので子ども達からもパワーもらっていますけど、ここで侍さんからパワーもらって、毎日元気で働きます。

その風貌と癒やしの音色で多くの人の心に“安らぎ”を与えるサックス侍。彼自身もファンに“感謝の気持ち”を込めて演奏していると言います。

サックス侍:
ファンの人はファンの人で「感動した、ありがとう」っていってくれるんですけど。僕は僕で、“生かしてもらえている”感じがして、すごくありがたい気持ちで。
僕は今のところ一番の目標は「人間観光地」になることで、ストリートをやり続けたいんですよね。名古屋の自慢っていってもらえるように、活動していきたいなって思っています。

(『サン!シャイン』 2025年5月16日放送より)