<銀シャリ コメント>

――9年越しの大賞受賞となりました。

橋本:めちゃくちゃ、うれしかったですね。ついに、とれたなと。

鰻:しかも“コンビ結成20周年”、“第60回大会”というこんなにめでたい回数で。

橋本:今年も全国ツアーがはじまるんですけど、良い賞をいただいて頑張りがいがあるなという感じです。

――「大賞をとりたい」と公言される中、今回念願の受賞となりました。

橋本:奨励賞をとったときは(野望を)内に秘めるタイプだったんですけど、「とりたい」という魂を出していかないとなと思って。4年前くらいから「とりたい、とりたい」と自分たちの中で言い出しましたね。

鰻:ほんまに、誰にでも言っていました(笑)。

橋本:夢は、口に出していかないと実現しないのでね。

――お祝いゲストとして、笑い飯(西田幸治さん、哲夫さん)のお2人がかけつけてくれました。

橋本:僕らが右も左もわからないときに、芸人としてのいろはや漫才師としての取り組み方、ボケ方ツッコみ方ふくめ、ずっと舞台袖から拝見していました。今回来ていただけて、めちゃくちゃうれしかったです。哲夫さんは、大学の先輩でもありますし。

鰻:哲夫さんくらいじゃないですか、夜から飲んで次の日の昼前くらいまで飲みはる人って。当時そんな感じだったんで、芸人ってずっと飲んでいるもんなんやと(笑)。

――大賞受賞を知ってから今日まで内緒にしておくのは、どんな気持ちでしたか?

橋本:毎年ありがたいことに、先輩から「今年こそ、おまえらがとるんじゃないか」と言っていただいていたので、今年も言われたんですけど。「兄さん、去年も言ってはったじゃないですか!またそんなこと言うて」と、ごまかしていました(笑)。

鰻:聞いてきそうな先輩からは、逃げていました(笑)。でも、今日はきつかったですね。

橋本:NGK(なんばグランド花月)で出番を一回やってから来たんですが、テンダラーさんやスーパーマラドーナさんがいて。僕らは何も言ってないですよ?ですけど、「おめでとう!」って言われて。「NGK、一回目しか出番入ってないやん、それはもう、おめでとうやん」って。

鰻:まず、これをやめなあかん(笑)。

橋本:さっきも『よ~いドン!』があったんですが、(月亭)八光さんに「おめでとう」って茶封筒を渡されました(笑)。

鰻:こっちは言ってないんですけどね、まったく(笑)。

橋本:親にも秘密にしてきたんで、テレビを見たおかんがビビってると思います。こんなに秘密にするの、『探偵!ナイトスクープ』の探偵に就任したとき以来です(笑)。妻にも一週間前くらいに言った感じです。賞金のことは言っていません!が、これでバレると思います(笑)。

――2人にとって上方漫才大賞とは?

橋本:幼稚園のときから漫才大好きで、おじいちゃんおばあちゃんちで(上方漫才大賞が)ずっとついているので「すごい大会だな」と思っていました。芸人になってからも、ワッハ上方の演芸資料館(大阪府立上方演芸資料館)で過去の勉強もさせていただいて。

本当に歴史ある賞のえげつないぐらいの重みを感じていました。歴史に名を刻めたという気持ちで、本当にうれしいです。

鰻:珍しいですよね。バトルしてもらえるわけではないじゃないですか。大賞は「とりたい」といってもとれない、選んでもらわないと絶対にとれないやつなんで、一層うれしいですね。

――今後、どう漫才と向き合っていきますか?

橋本:とにかく漫才が大好きなので、健康に気をつけて、長く漫才師をやっていきたいと思います。上方漫才大賞をとった漫才師がそれだけすごいんだぞと思ってもらえるように、全国ツアーもしっかりやっていきたいです。周りの漫才師さんがすごい人ばっかりなので。いろんな先輩や後輩にも常に見られて、切磋琢磨(せっさたくま)というか、ゆるめる瞬間はない環境だと思います。今の漫才のクオリティを、“保つ”というより、上げ続けられるように頑張りたいです。

――連覇についてはどう考えてますか?

鰻:まだとってない方もいらっしゃるのであれですけど、もしタイミングがあればいただきたいです。お金がないんです、本当に(笑)。

橋本:次は人に言えるのがうれしいですね。「次、おまえなんちゃう!?」って。いつか自分が大賞とることが決まっている一ヵ月前くらいとかに言ってみたいですね(笑)。

鰻:ギャラだけは、高騰でいきたいですね。

――ほかの漫才師に負けない強みは?

橋本:自然体であることと、もうボケとツッコミがないというところですかね。鰻と橋本がやれば、それだけで銀シャリの漫才になる。勝手に出汁が出るというか。
 

鰻:漫才を楽しんでやっている感じですかね。素でやっているので、ネタ中も面白かったら普通に笑ってしまうんですよ(笑)。

――どうしたらこうなれる、というのも含め、後輩たちにメッセージをお願いします。

橋本:人から勉強してもいいと思うのですが、とらわれずにそのコンビにしかできない境地にいってほしいなと思いますね。オリジナリティというか。奨励賞や新人賞を見ていても、みんなすごかったですね。

鰻:マネしても仕方ないもんな。面白かったですね。(先輩の)誰々っぽいとかいうのがなく、それぞれのカラーがあって。