日本でおこりうる巨大地震について、ある調査結果が明らかになりました。
警鐘をならすのは、北海道沖の千島海溝の調査を行った、東北大学・災害科学国際研究所の富田史章助教。
東北大学・災害科学国際研究所 富田史章助教:
M9クラスの非常に大きい地震を起こすことが考えられます。
北海道沖の千島海溝でM9クラスの地震がおこる可能性があるというのです。
千島海溝でM9クラスの巨大地震の可能性
北海道東部沖の千島海溝沿いは、これまで多くの地震が発生。
1994年には、北海道の東方沖でM8.2の巨大地震が発生し、その9年後の2003年にも、十勝沖でM8.0の巨大地震が起きました。
政府の地震調査委員会は、千島海溝沿いで30年以内に7%~40%の確率でM8.8程度以上の「超巨大地震」が起きる可能性が7%から40%、また、根室沖ではM7.8~8.5程度の地震が80%程度、十勝沖ではM8.0~8.6程度の地震が20%程度起きる可能性があるとしています。
今後30年以内に千島海溝沿いで発生する可能性があるとされる巨大地震。
どう備えるべきなのか、詳しく解説します。
千島海溝で「ひずみ」が蓄積
堀池亮介アナウンサー:
南海トラフも非常に注意が必要と言われてきましたけれども、千島海溝での巨大地震というのも同様に注意が必要になっているのでしょうか?
東北大学・災害科学国際研究所 富田史章助教:
M8後半~9に匹敵するような超巨大地震が発生する可能性がありまして、それによる地震の揺れ、巨大な津波が発生することが危惧されますので、南海トラフと同じように警戒すべきかと思います。
北海道沖にある千島海溝は海側のプレート(太平洋プレート)と陸のプレートが重なり合う場所です。
2019年から5年間、富田助教らのグループは千島海溝について調査を行いました。
海側の太平洋プレートと陸側のプレート、それぞれの海底に観測点のGPSを設置。
すると、海側のプレートも陸側のプレートも年間約8cm移動していたことが分かったのです。
このことから、プレート同士が固着して「ひずみ」が蓄積していると判明しました。
蓄積されたひずみが限界を超えると…M8.8程度の地震や大きな津波が発生する可能性があります。
堀池アナ:
今回の調査結果はどういった意味を持つのでしょうか?
富田史章助教:
これまでも、千島海溝で巨大な地震が発生するかもしれないということは言われていましたが、それは陸上に残された津波の痕跡から考えられていたことでして、実際に今、本当にひずみが蓄積されているのかというのはわかっていなかったんですね。それが今回の調査によって、まさしく今、実際にひずみが蓄積しているという様子を捉えることができました。
そのため、千島海溝では将来的に巨大な地震が起こり得る脅威があるということを再認識したということになります。
また、今回の海溝での地殻変動の調査、GPSと音響観測の組み合わせなんですけども、陸のプレートの海溝に近いところが海のプレートによって顕著に引きずり込まれて、陸のプレートの先が縮んでひずみを蓄積しています。
このひずみが解放された場合、海溝の近くで特に大きい地殻変動が起こって、結果的に巨大な津波を引き起こす危険性があると考えています。
巨大地震による津波が発生した場合…
北海道の東に位置する厚岸町で巨大地震による津波が発生した場合のシミュレーション動画を見ると…。
最大震度7の地震が発生した場合には、約30分で津波の第1波が到達。
港の船なども流され、住宅地では大量の海水が車などを巻き込みながら町を覆う様子が…。
さらに15分後、海水は住宅の2階以上の高さにまで到達していました。
また、北海道から千葉県にかけて大きな津波が発生、えりも町や釧路町などでは26m超の高い津波、函館市でも8.7mの津波が予想されています。
千島海溝の超巨大地震は過去6500年間に18回発生と推定しています。平均発生間隔は340年~380年。
17世紀(1611年~1637年の間か)に推定規模M8.8の超巨大地震が発生。現在はすでに400年前後が経過しているということで、次の巨大地震がいつ起きてもおかしくない状態というわけです。
日本海溝と千島海溝 大規模被害の想定も
千島海溝と同じく太平洋プレートが陸側に沈み込んでいる場所として「日本海溝」があります。
「千島海溝」は十勝沖から択捉島およびそれより東の海溝。
「日本海溝」は千葉県・房総沖から青森県東方沖の海溝。
内閣府はこの一帯を想定震源域とした巨大地震が起きた場合の被害を想定しています。
「日本海溝」では…
・最大M 9.1
・死者数 19万9000人
・建物の全壊焼失 22万棟
・避難者(1週間後) 57万8000人
「千島海溝」では…
・最大M 9.3
・死者数 10万人
・建物の全壊焼失 8万4000棟
・避難者(1週間後) 24万4000人
大規模な被害が想定される中、「早期避難」が重要になってきます。
内閣府の試算で日本海溝地震での津波による死者数は、早期避難率が高く、適切な呼びかけがおこなわれた場合は約4万7000人と大きく下がる想定。
千島海溝地震でも約4万4000人という数字になっています。
堀池アナ:
巨大地震について、事前の準備としてどんなことが重要になるのでしょうか?
富田史章助教:
いつ発災しても対応できるように平時からの備えを充実させる必要があると思います。
その備えも、住んでる地域や発災した季節などで大きく変わってきます。
例えば、冬の北海道で発災した場合は雪で避難が遅れてしまったり、寒さによって避難先で凍えてしまうなど様々考えられます。土地柄に応じた対策が必要かと思います。
そうした地域ごとの対策というのは地方自治体でかなり取り組まれていまして、ホームページや地方の気象台とかでもそういった情報が出ているので、参考にしていただければと思います。
地震が起きた際、どこで発災するか分かりませんから、いざ被災したときにどう身を守ればいいのか、どこに避難すればいいかというのを事前にシミュレーションして、身近な人と相談して事前に決めておくことが重要かなと思います。
(『めざまし8』2025年3月12日放送より)
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