最近、いびきをかくようになった、あごの下に“たるみ”を感じるようになった、食事中にむせるようになったなど、“のどの違和感”に悩まされたりしていませんか?
こんな症状がある人は、もしかしたら、のどが“老化”しているかもしれません。
さらに、「のど年齢」が悪化して飲み込む力が落ちてしまうと、細菌を含んだ唾液などが気管支や肺に入ることで生じる「誤嚥性肺炎」になる危険性が潜んでいるといいます。
重大な病気につながりかねない「のど年齢」のチェック方法と、のどを“若返らせる”トレーニングを専門家に詳しく聞きました。
あなたののどは大丈夫?“のど年齢チェック”
気になる「のど年齢」、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長によると、以下の方法で調べることができるといいます。
1. 水をひと口飲んで口の中を湿らせる
2.人さし指をのど仏に添えた状態で30秒間、何回唾液を飲み込むことができるか数える
10回以上飲み込めたら20代、9回(30代)、8回(40代)、7回(50代)、6回(60代)、5回(70代)と少なくなるほど年齢が上がり、4回以下は80代以上になります。
5回以下(70代)は、誤嚥性肺炎のリスクが高く、のど年齢が高いほど唾液の分泌量が少ない可能性があるため、免疫力低下のリスクも。
さらに、耳鼻咽喉科専門医で嚥下(えんげ)トレーニング協会代表理事の浦長瀬昌宏医師によると、健康に及ぼす影響はそれだけではないといいます。
浦長瀬昌宏医師:
誤嚥性肺炎に加えて、食べることができにくくなってくるので、栄養不足になって認知症であるとか、フレイル(健康な状態と要介護状態の中間の段階)状態になってしまう。あとは、窒息ですよね。餅を詰まらせたり、そういった問題が起こる可能性があります。
歩くのも走るのも(年を取ると)なかなか難しくなるのと同じように、のども体を働かせてやる動作なので、それが徐々に衰えていってしまうんですね。
日常生活の中の変化からも、「のどの老化」チェックを行うことができます。
・食事中にむせる
・せきが増えた
・たんがのどにたまっているよう
・いびきをかくようになった
・下あごが前に出るようになった
・はっきりした発音ができない
・高い声が出しにくい
・声が出し続けにくい
・あごの下にたるみを感じる
・のどがつまった感じがする
この10個の症状のうち、該当するものが4個以上で誤嚥性肺炎のリスクが「少し高い」、7個以上で「かなり高い」と言えます。
誤嚥性肺炎の予防には、ワクチンで免疫をつける、口腔ケアで肺炎を起こす細菌を寄せ付けない、のどのトレーニングで筋力を高めるなどがあります。
のみ込む力を鍛えるトレーニング
のどの老化を防ぐ上で大事なことは、「飲み込む力」を鍛えることです。
ポイントは2つあり、1つは「のど仏」を上にあげられるか。飲み込むためにはのど仏を上げることが必要です。しっかり上がらないと、食道が開かずに飲み込めなくなってしまいます。
2つめは、のど仏を上げるのに使う筋肉「ごっくん筋」に力が入れられるか。親指をあごの先端から少し奥の柔らかい部分に当て、唾液を飲み込む瞬間に固くなっているかチェックしてみてください。
そんな、「飲み込む力」を鍛えるために重要な、「のど仏」のトレーニング方法をご紹介します。
初級編:連続して水を飲む
中級編:「ごっくん」と音を立て多めの水を一口で飲む
上級編:口の中にためた水を上を向いて「ゴクッ」と飲む
これらのうち1つを朝・昼・晩に継続的に行えば飲み込む力を鍛えることができます。
浦長瀬昌宏医師:
飲み込むというのは無意識でやっているので、どこに力を入れているということが分かっていないんですね、ほとんどの人が。ちょっと身構えて多めの水とかを飲むと、舌の奥の力の入れどころが分かる。力を意識的に入れないと飲めないので、それが筋肉を鍛えることに直結します。
上を向いたほうが“ごっくん筋”に力を入れにくいんですね。顎の舌の下の筋肉に力が入ることを感じると。ちょっとむせやすいので気をつけてください。
また、のど仏を触りながら、低い声で「オー」、甲高い声で「ヒー」と声を出し、のど仏が上下していることを意識しながら交互に10回行うことでも、のどを鍛えることができます。1カ月ほど続けると顎のラインがきれいになる人も。
浦長瀬昌宏医師:
飲み込むというのは、のど仏を上下させているので、上下に動かせるようになったらグッドなんですね。なので、それをしっかりやれるように、練習していただけるとうれしいです。年を取ってからやると、やりにくくなるんですよ。ですので、今のうち、できるだけ早い段階からそういった訓練を意識してやっていただくことが大事だと思います。
(『めざまし8』 2025年2月12日放送より)
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