2024年の元日、最大震度7を記録した「能登半島地震」が発生した石川県・輪島市。
今年の「二十歳の集い」が開かれる前日、地震によって延期されていた「二十歳の集い」が、2025年1月11日に1年遅れで開催されました。
1年遅れで迎える一生に一度の晴れ舞台。そこには、被災した去年の新成人たちの特別な思いがありました。
振り袖姿に感極まる母親も…
1月11日午前6時30分、まだ薄暗い早朝、明かりが灯っていたのは、輪島市内にある美容院です。
美容院「hair Moss」代表 酒井透さん:
きょうは、うちは6件予約いただいています。着物を成人式の前に預かったりするんですけど、去年は預かったまま被災してしまったので。
家が火事でなくなっちゃって、着物を預かる場所がないから、代わりに預かっておいてくれないかっていう子がいたりもしたので。
ようやく見ることができた娘の晴れ姿に、感極まる母親の姿も…。
娘が1年越しの「二十歳の集い」に参加する母親:
1年越しの振り袖姿。中にはお友達でもやっぱり着物がちょっとダメで、着られないっていう子もいたので…。よかったです、本当にありがたいです。
『めざまし8』の取材班が出会ったのは、県内の大学に通う岡田紗佳さん。
1年遅れの「二十歳の集い」に参加する理由を聞いてみると。
大学3年生 岡田紗佳さん:
3年くらい会えてない友達とかもいるので、久しぶりに会えるっていうので。地震の時どうだったかっていうのも、やっぱ話したい話題の一つになっているかなと思います。
(地震によって)数日前まで見ていた当たり前の景色が崩れてしまって、知らない街みたいになってしまっていて。1年越しってなるんですけど、無事に成人式みたいな、こういう式も迎えられるような感じになって、そこまで復興できたっていうところで、すごくうれしいなって思います。
祖母のくれた振り袖を着て
大学のある大阪から、この日のために故郷の輪島に帰省したという沖崎愛子さんは…。
大阪の大学に通う 沖崎愛子さん:
きれいな振り袖を着ていくこととか、あまりないので喜んでほしいです。
自宅に親戚が集まり、まさに食事をしようとしていたときに地震が発生。屋根の瓦が落ち、塀が崩れる中、避難したという沖崎さん。
華やかな花などが描かれたこの振り袖姿を、見てもらいたい人がいるといいます。
今から会いに行くというので、取材班も同行させてもらいました。
愛子さんの母・友紀さん:
おばあちゃーん、おばあちゃーん、来たよー。
愛子さんの祖母・百合子さん:
かわいい!愛ちゃん良かったね、成人式できて。
この柄で良かったな、大胆な柄で。おばあちゃん長生きしてきて良かった。
振り袖を着た愛子さんを満面の笑みで迎え入れてくれたのは、祖母の百合子さん。そんな百合子さんを見て、愛子さんは感極まり涙を拭います。
実は、愛子さんが着ている振り袖は、百合子さんがプレゼントしてくれた物だったのです。
愛子さんの祖母・百合子さん:
私、お金ないけども、やっぱりかわいい子に着物着せたいな、買ってあげたいなと思って。選んだの。
港近くの市場で30年以上働いてきた百合子さん。しかし、その市場も地震後に起きた火災で更地になってしまいました。
沖崎さんの両親と祖母の百合子さんは、現在金沢で職に就き、金沢とこの家を行き来する2拠点生活をしています。
今も家に残された地震の爪痕。大阪の大学に通う愛子さんは、いまだに“地震の恐怖”が拭えないままだといいます。
愛子さんの母・友紀さん:
(娘は)地震の記憶がまだ体に染みついとって、ここにおるとまたそれ(地震)が起きるんじゃないかとか、すごい心の不安があって。
家には来られるけど、泊まることはできない。怖くて泊まれない。
いまだ癒えない心の傷。
それでも、「二十歳の集い」で同級生に会うと、自然と笑顔がこぼれます。
『二十歳の誓い』塩山仁志さん・古谷美颯さん
「昨年式を目前に突如として起こった能登半島地震。
当たり前の日常はかけがえのないものだということを知らされる出来事でした。もしかしたらすべて夢なのではないかなど、信じたくない気持ちがとても大きかったことを今でも
覚えています。
そんな中、自分を支えてくれたのは、家族や友人であり、
周囲の人々でした。
自分たちには生きていく中で、思いがけない出来事や、様々な試練に遭遇するでしょう。
それでも、この自然豊かな輪島市で育った誇りと、これまで経験を糧に、周囲の方々や家族、友人への感謝を忘れない人間になっていきます。」
“2024年の新成人”たちは、今、新たな一歩を踏み出しました。
(『めざまし8』 2025年1月13日放送より)
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