平成のテレビっ子たちを支えた「ビデオテープ」。
好きな番組を録画して何度も見返したり、映画のビデオを買って楽しんだり…。そんな中高年の思い出の詰まったビデオテープが今、ある危機に面しているといいます。
「ビデオテープ2025年問題」
1990年代後半が流通のピークだったビデオテープ。その耐用年数は20年ほどとされており、再生デッキも既に生産終了。
2025年には見られなくなる可能性が高まるのではないかと言われています。
そんな一報を受けてか、ビデオテープをDVDなどにダビングする作業を専門に行っている業者には、ひっきりなしに電話が。
「ダビングコピー革命」 従業員:
毎日段ボールが来るのでやってもやってもって感じです。
「ダビングコピー革命」 丸山裕二店長:
今は本当に多いですね、例年の倍はありますね。テープ本数で言うと月2万何千本っていうくらいが、おそらく来ているのかなと。今、一応2カ月待ち。
これまでになく殺到しているというダビング依頼。
直接店にビデオテープを持ち込んだ人たちも、その思い出は様々です。
ダビング依頼に来た人(20代):
祖母(の映像)もこのテープに入っているものしか残っていないので、10年以上前に亡くなったんですけど、本当に数カ月ぐらい前に亡くなったぐらいの…まだ、記憶というか。
ダビング依頼に来た人(50代):
子どもの成長とかを、赤ちゃんのときから全部撮っているものだったので、それが見られなくなるのが怖くなりまして。もう宝物ですね。
歴史的資料の保存も
ビデオテープのダビング作業に追われているのは業者だけではありません。
三重県にある「四日市市立博物館」では、収蔵されているビデオテープの映像保存を、学芸員の手で数年前から進めています。
四日市市立博物館 森拓也学芸員:
「これ放っておいたらダメになるよね。データ化しましょうよ」っていう話から始まった。
本当面白いんよ!古い記録ばっかりだから。本当面白い、いっぱいある。
古くから伝わるお祭りを映したものや、中には、1959年に発生した、昭和の三大台風のひとつ、伊勢湾台風の映像など貴重な歴史的資料も。
四日市市立博物館 森拓也学芸員:
僕、伊勢湾台風の時は小学校1年だった。幸いうちは水にはつからなかったけど、それでも、母親に手をひかれて逃げた記憶は鮮明に覚えているからね。
当時よくこんなの撮ろうという気になったよね。これはすごいと思う。
しかし、再生デッキもテープ同様老朽化が進んでいるため、デッキが正常に動かないというトラブルもあるといいます。
ITジャーナリスト・石川温氏:
時間がたてばたつほど、再生しにくくなっていく可能性は十分にあるので、やはり大切な思い出は早く何かしらデータを別の方向に保存しておくことが重要なのかなというふうに思います。ほっとかないで、すぐに手をつけるというのが重要だと思います。
(『めざまし8』 2024年12月26日放送より)
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