シンガー・ソングライター 松任谷由実さん:
被災地に私も行った時に、「これは残すべきだなって」。見る人が自分のこととして引き寄せられるような記録を撮っておくべきだって。
シンガー・ソングライターの松任谷由実さんがこう語るのは、2024年11月12日から開催されている、能登半島地震の“今”を伝える写真展で展示されている写真についての思い。
この写真展は、2015年から石川県観光ブランドプロデューサーを務める松任谷さんが発起人となり、実現しました。
開催に先立って会場を訪れたのは、シンガー・ソングライターの松任谷由実さんと、展示写真を撮影した写真家の佐藤健寿さん。
2024年元日の地震発生から316日間、被災地を撮り続けた佐藤さんの写真約120枚が展示されています。
道路の真ん中に隆起しているのは、「マンホール」。
多くのがれきが散乱し、焼け落ちた建物や車。かつてにぎわっていた町の面影は、どこにもありません。
松任谷由実さん:
ああこれも…。「能登を忘れない」っていうことは、どういう世界に自分は住んでいるのか、属しているのかを忘れないっていうことだと思うんですよね。
写真家が語る「能登の人々の強さ」
現地で撮影を続けた写真家の佐藤健寿さんに話を聞くと、強く印象に残っているのは「能登の人々」の姿だといいます。
佐藤健寿さん:
ちょっとびっくりしたのが、すごく明るいんですよ。お母さんがすごく笑いながらお話聞かせてくださって…、なんかその「強さ」というんですかね。
7月には、能登町で開催された「あばれ祭」に佐藤さんは松任谷さんと一緒に参加。
みこしを水や炎でボロボロになるまで壊す祭りで、佐藤さんは街を“破壊”した自然の猛威に直面しながらも、“破壊”という祭りで応える人々の覇気に心が震えたといいます。
松任谷由実さん:
きれいですね。この美しさを知ってしまうと祭りはやめられないですよね。
松任谷さんが涙…心を震わされた1枚の写真
松任谷さんが心を震わされたという1枚の写真がありました。
珠洲市・見附島の海岸で撮られた写真。
ここは「恋人の聖地」と呼ばれ、縁結びの鐘が人気の場所です。
松任谷由実さん:
雑誌の撮影で行ったときに、女性スタッフが独身の人が多かったから一目散にみんなでこのこの鐘に走って行ったっていう…。
なんかそういう楽しい思い出とか笑顔とかが重なると、グッときますよね 風景って。
自身の思い出と写真を重ね涙ぐむ場面も。
なぜ、震災から1年がたとうとしている今、写真展を開催したのでしょうか?
松任谷由実さん:
この展示はね、啓蒙的なものでもなんでもなく1人1人が自分の中に“気づき”を持ってもらうために。自分のこととして捉えてもらいたいなと思います。
松任谷さんの楽曲acacia[アカシア]に込められた思い
倉田大誠アナウンサー:
スタジオで流れているこのacacia[アカシア] という曲。松任谷さんにとって石川県は第2の故郷で、ご自身が表現する上でとてもゆかりの深い場所なんですね。
ご自身が石川県内灘町のアカシアの砂防林の風景を見たときに、感動して作った曲がまさにこのacacia[アカシア] だったということです。
MC 谷原章介:
良い曲ですよね。
3.11の写真とかって今見てもあのとき自分たちはどう感じたのか、とか災害前にそこには普通の暮らしがあって、でもその普通の暮らしを、人々の笑顔を奪ってしまったんだなってことがぐっと胸に響くんですけど、能登の場合はまだまだ現在進行形で普通の生活に戻れていない方、もしくは地元から離れてしまって、帰りたいけど帰れない方がたくさんいらっしゃるわけじゃないですか。そういう人々の暮らしを一瞬で奪ってしまうこういう災害っていうのは、日本中どこでも起こりうるんだ。これはもう一地方のこととしてではなくて、日本に住む僕ら、世界中どこの人も他人事として捉えてはいけないなって強く感じさせられます。
倉田大誠アナウンサー:
最後に撮影を行ったのが、10月25日ということでまさに能登の“今”を感じる写真展となっております。
(『めざまし8』 2024年11月15日放送より)
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