<常盤貴子 コメント>
――ナレーション収録はいかがでしたか?
見入ってしまいました。特に、右田さんの絞り出すような最期の言葉。こんなふうに闘ってくれてた人たちがいたんだ…。
アスベストの被害について知るのは遅かったけれど、中皮腫の発症はこれからピークを迎えるということなので、それまでに何かできることがあるはずです。探していかなくては、と強く思いました。
――ナレーションにあたって意識したことは?
柔らかく伝えた方がいいのか、淡々と伝えていった方がいいのか、どっちがいいのかと考えていました。
でも、立ち向かう相手があまりにも巨大だから、柔らかくしすぎて軽くなってしまうよりは、極力事実を伝えていく方向性でできれば、と思っていました。
――右田さんの生きざまを、どのように感じましたか?
右田さんが笑顔で活動して伝えてくださるので、見ていてすごく引き込まれるし、内容がヘビーなことであっても、楽しく伝えてもらえると、聞く方も楽しくなれるんだなと思えました。(右田さんは)人としてすごい方だったんだなと思います。
「希少がん」であるがゆえに情報も乏しいからこそ、患者さん同士で励まし合うお姿が、たのもしいなと思いました。
右田さんと栗田さんが作られたコミュニティの大切さは、お二人がいなくなってしまったからこそ一層感じられます。
ウェブサイトを開設してくださっているから、もしも自分に中皮腫の疑いがあったときに調べられる場所があるということですよね。
今後も増えるであろう中皮腫患者を救ってくれる、すごい功績だと思います。
――ナレーション収録前と後で、アスベスト・中皮腫患者の方々に対する考え方や心境の変化はありましたか?
(収録前は)アスベストは吸ったら危ないということぐらいしか知らなかったです。ある日突然、がんになり、しかもその症状が一転してしまうことも。それが「中皮腫」ということも初めて知りました。
番組の中で、希少がんだから治験ができず、新薬の開発が進まないというお話がありました。いつ自分の身にふりかかってもおかしくない中皮腫を知り、恐怖を感じました。
これだけ多くの方々が苦しんでいる事実に、自分ごととして早く解決しなくてはと思いました。
――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
私のように知らない人がほとんどだと思うので、いつ自分や自分の大切な人が中皮腫になってしまったとしても対応できるように、知識として知っておいてほしいです。