『ザ・ノンフィクション』で“語り”を務めた尾野さんにインタビュー。大澤さんと古井さんの活動を見守って感じたことや、尾野さん自身が考える生き方、何かあったときの“駆け込み寺”のような存在について聞きました。
尾野真千子「すごい、の一言」東光院の取り組みに感嘆
――住職の大澤さんと執事の古井さんは、地域の食堂を運営したり、一人暮らしの高齢者の暮らしを助けたり、万が一のときは遺体の搬送から死化粧、葬儀まで自分たちの手で行ったりと、人々のために尽くしています。2人の姿勢について、どのように感じましたか?
すごい、の一言です。地域の人々のためとはいえ、ここまでできるなんて。私も地域のために何かしたいと思っても、ここまではできないと思います。正直今まで、「人のため」というのはきれいごとだと思っていましたが、お二人の姿を見て、たとえそうだとしても、それは悪いことではないと思わされました。
それに、自分が死んだあとのことまで気にかけてくださる方がいるというのは、本当に心強いですよね。それだけで、安心して人生を全(まっと)うできそうな気がします。
――映像には、最期まで自分の生き方を大切にする人々が登場します。
最近、夫とそういう話をしたばかりだったんです。芸能の世界ではよく「舞台の上で死ぬのが本望」と言う方もいますよね。でも私はそうじゃない。自分が愛する人の腕の中で死にたい。ニュースで訃報が流れたときなどに、夫に「私は、あなたの腕の中で息を引き取ることが本望だから、誰かに『尾野さん、舞台で死ねて本望だったね』と言われたら反論してくれ」と伝えています。
やっぱり年を重ねてくると、いろいろと考えますね。私は結婚していますが子どもはいないですし、末っ子ですし、いずれたった1人で寿命を迎えるのかなと思うこともあって。もしそうなったらマネージャーに看取ってほしいと思い、「私が仕事を続けていたら、その時は頼む!」と今からお願いしています(笑)。
――“人生のしまい方”について、考えていた時期だったのですね。
大澤さんと古井さんがされている活動はすごく胸にきますし、いろいろなことをタイムリーに考えさせられました。きっと夫が見たら「この取り組みはすごいね」と言うと思います。夫は好奇心旺盛で、人のために何かをしたいというタイプなんです。
――尾野さんは東京と沖縄で2拠点生活を送っていますが、沖縄では、この物語のような地域のつながりや助け合いが根付いているのでしょうか。
そうですね。皆さん、助け合いをモットーに生きているので。結局は「飲むため」だったりもするんですけど(笑)。
沖縄には「模合(もあい)」という助け合いの文化があるんです。集まって飲みながら、みんなで月に1回お金を出し合って、困っているメンバーがいたら使ってもらう。ただ一方的に助けるのではなく、自分ももらったりあげたりする、貯金みたいなものです。
みんなで「ああでもない、こうでもない」「あれしよう、これしよう」「楽しいね、楽しくないね」なんて話をしながら、人を助けられる。これって素敵だなと思って私も参加しています。飲みたいから、ではあるんですけど(笑)、その助け合いが必ず役に立つんです。
――サブタイトル「型破りな2人の駆け込み寺」にちなみ、尾野さんにとっての“駆け込み寺”のような存在を教えてください。
事務所と夫です。事務所には私生活から仕事まで、全部駆け込んでいます(笑)。スタッフの皆さんそれぞれに得意分野があって、私が「これどうしよう?」と相談すると、得意な人が話を聞いてくれたり、願いをかなえてくれたりします。
家族も助けてくれます。夫は、私が何を言っても「大丈夫」と返してくれるので、「本当は大丈夫じゃないんだろうな…」と思いながらも(笑)、その一言で安心させてもらっています。
<YouTube「フジテレビドキュメンタリー」では、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。9月6日(日)14時~「人生 最期までお付き合い 前編~型破りな2人の駆け込み寺」予告>
無料配信スケジュール
8月2日・9日放送「クズ芸人の生きる道」前後編(語り:吉田美月喜さん):9月6日まで
8月16日・23日放送「花火師になりたくて~僕と私が打ち上げる夢~」前後編(語り:ヨルシカ suisさん):9月20日まで
8月30日放送『ザ・ノンフィクション特別編 話題作「その後」の物語』:9月27日まで
