2025年10月にサッカー王国ブラジルを初めて破り、2026年4月にはサッカーの母国イングランドとのアウェー戦で歴史的金星を挙げた日本代表。ワールドカップ初戦を目前に控え、チームのムードは最高潮に達しています。

小野さんから現在のチームの雰囲気について聞かれると、久保選手はこれまでにない手応えを語り始めました。

W杯「最高の景色」への鍵① 過去イチのチーム力

久保建英:
雰囲気に関しては多分、カタール大会と比べても過去イチだと思いますね。年齢が近い人が多くを占めていると思うので、みんなすごく仲良くて。それを支えてくれるベテランの選手たちがすごく気さくで、多分10年前、15年前だったらあり得ないようなことも僕らから言えちゃうくらいです。
 

そんな風通しの良い関係性を象徴するのが、ベテラン長友佑都選手とのやり取りです。カメラに向かって「ブラボー!」と叫ぶ久保選手に、長友選手が「ブラボーじゃねぇよ!」と笑顔で突っ込むなど、先輩・後輩の垣根がない最高の空気感が生まれています。
 

久保建英:
すごく色々許してもらってる分、こっちも素を出せるっていうのがあって、雰囲気はめちゃくちゃいいのかなと思いますね。
 

この若手とベテランの良い空気感は、小野伸二さんもかつてワールドカップで身をもって経験したことのあるものだと言います。

小野伸二:
僕たちも2002年の日韓大会の時が多分そんな雰囲気で、一回り上ぐらいのゴン(中山雅史)さんとか秋田豊さんといったベテランが、自分たちの若い勢いをうまく吸収してくれた。
いい流れを作ってくれて試合が円滑に進むためのいい準備をさせてくれたなっていうのはすごく感じていて、たぶん今、練習の中でもピッチ外でもそれをすごく感じているのかなと思います。

試合に対しての準備の仕方が、非常にうまくいっているんじゃないかと思うし、チームの雰囲気が本当に素晴らしいんだなっていうのはすごく感じますね。
 

小野さんから「今感じる日本の強さはどんなところにあるか」と問われた久保選手は、今のチームが持つ強固なメンタリティについて明かしました。

W杯「最高の景色」への鍵② 試合をひっくり返す力

久保建英:
あんまり上手くいってない時や、特に負けてる時に、試合をひっくり返せる力が今の日本代表にあるなと思っていて。
 

その象徴となったのが、2025年10月のブラジル戦。

前半だけで2点を先制される苦しい展開の中、ハーフタイムのロッカールームでは森保一監督が「もう一回ハードワークするところを見せる」と鼓舞し、南野拓実選手が「まだ死んでない、1点取れば絶対変わる」と声を掛け合っていました。

決して下を向かないマインドが後半の反撃を生み、南野選手、中村敬斗選手、そして上田綺世選手のゴールで大逆転勝利を収めました。久保選手はこの心理的余裕こそが強みだと語ります。
 

久保建英:
相手がブラジルのような強豪でも、2対0、1対0で負けていても、選手が全然諦めることなく上を向いてプレーできる。ポジティブな気持ちでプレーできるっていうのはすごく大きいのかなと思います。
 

この「ひっくり返す力」は、選手個々の高い判断力によっても支えられています。2026年5月の壮行試合(アイスランド戦)で、久保選手が見せた柔軟なポジションチェンジについて、小野さんが切り込みました。

久保の戦術眼で流れを変えたアイスランド戦

小野伸二:
アイスランド戦を見て感じたのは、久保選手がいつもの右サイドというより左サイドでのプレー回数が多かったような気がするんですけど、自分の中でこだわった部分っていうのは何かあったんですか?

久保建英:
ゲームスタート時はそんなつもりはなかったですけど、途中からやっぱり崩しきれない時間が続いたことで、何か変化をつけたいなっていうのがあって。相手が同サイドに結構人数をかけてくることが多かったので、もう1枚プラスで逆サイドから入ってくる必要があるなっていうのを考えて、自分で動いたって感じですかね。
 

自らの判断で悪い流れをひっくり返す。世界を知る選手たちの高い経験値が、今の日本の大きな武器です。小野さんもその質の高いプレーを絶賛しました。
 

小野伸二:
相手の嫌がることをしようっていう意識がすごくあったなと思うし、数的優位を作りながら相手の困るポジショニングを取って、自分たちに有利なボール運びをしていたように見えたので。

久保建英:
相手に引かれた時にも崩し切るのが世界のトップオブトップだと思うので、僕たちもしっかり引いた相手でも崩し切って、前半で2点、3点取れるような戦い方も模索していかなければいけないなとは思いました。
 

年齢や立場に関係なく一致団結する「過去イチのチーム力」。
そして、不屈の精神と個の戦術眼で苦しい状況を打開する「ひっくり返す力」。
この二つが重なり合った先に、まだ見ぬ“最高の景色”が待っています。
 

そして2人の話題は、日本時間15日(月)早朝に行われる日本の初陣、オランダ戦に。
久保選手はオランダのイメージを「非常に厄介チーム」と表現しました。