――観客のみなさんに、どのように楽しんでもらいたいですか?

芳根:『ピーターパン』は多くの方が知っている物語だと思いますが、『ウェンディ&ピーターパン』は新たな“ウェンディの夢の物語”として楽しんでいただきたいです。ウェンディが冒険するネバーランドの世界を、お客さまにも一緒に楽しんでいただいて、劇場を出たときにウェンディの夢から覚めたような余韻を感じてもらえたらと思います。

渡辺:先ほど芳根さんが、出演が決まったときに「アニメの『ピーター・パン』を観返した」と話していましたが、僕はディズニーに行ったんです。

芳根:一緒!ピーターパンのアトラクション、乗りましたか?空飛びましたか?

渡辺:乗った!飛んだ! 

芳根:私もです!アトラクションの中でピーターパンが「君も飛べるよ」と呼びかけてくれる場面があるのですが、私は「今ピーターパンは私だけに言ってくれた」と信じて、「この舞台やる!私、ウェンディになる!」って声に出して言いました。出演をディズニーで決めました。

渡辺:(笑)。僕もアトラクションに乗って「ピーターパンってこうだよね」という懐かしい気持ちを抱えて、意気込んで稽古場に行ったら、カンパニーのみなさんが「ディズニーのイメージとは離れたものにしたい」とおっしゃっていて…。

でも、お客さまもきっと我々と同じように、ピーターパンのパブリックイメージを持ったまま劇場に来てくださると思うので、観終わったときにイメージのギャップが大きければ大きいほど満足度が高くなるのかなと思います。

今回のウェンディ視点の物語は明るいだけではなく、かなり奥深いです。楽しいことを思い浮かべながら空を飛ぶのに、向かう先は儚(はかな)くて切なくて…。お客さまに「『ピーターパン』にはこういう一面もあるんだ」と思ってもらえるかが、大きなポイントかなと思っています。

渡辺翔太 稽古前のワークショップは「頭の体操&“畑が違う”刺激も」

――稽古開始前に、演出家のジョナサン・マンビィさんらとともにワークショップを行ったそうですが、手応えはいかがでしたか?

芳根:その日にマンビィさんと初めてお会いして、1日6時間を2日間、みっちりやらせていただきました。難しいこともたくさんありましたが、すごく楽しかったです。普段使っていない脳みその電源を入れて、新しい回路を開いてもらえたような感覚で。

私は人見知りなところもあるので、始まるまでちょっとドキドキしていましたが、あの2日間でドキドキがワクワクに大きく変わりました。

渡辺:おっしゃる通り、普段使わない頭の体操みたいな感じでしたね。僕にとっては、いつもと“畑が違う”という刺激もかなりあったと思います。

芳根:カロリーが高いワークショップでしたね。