──それぞれが演じる四方田誠と鈴木明日香の役どころについて聞かせてください。

佐藤:脚本家の矢島(弘一)さんのことは以前から知っていて、主宰している劇団「東京マハロ」の舞台を観に行くこともありますし、僕がこの間やった舞台『そのいのち』を観に来てくれたりしていて。

長い知り合いということもあるので、誠は当て書きなんじゃないかなと思っています。さまざまな場面で何度も言っていますが、僕は“精神年齢6歳の56歳児”。子どもっぽいんじゃなくて、子ども。劇中にも「子どもっぽくむくれる」というシーンもありますからね。

対する橋本さんは非常に落ち着いた、品のあるイメージの方ですから、図体がでかい子どもな誠とクールビューティな明日香のでこぼこ感が出るといいなと思っています。

『夫婦別姓刑事』第1話より

橋本:明日香は正義感が強くて、芯の強い、パワフルな女性。事件には被害者がいるので、刑事という仕事に真心を持って誠実に向き合っていますし、誠のことも上司として、刑事として尊敬しています。

でも、家庭に入ると上司と部下から一気に逆転して、明日香が誠を振り回します。そういう役回りを面白がっていただけたら。私たちだけではなく、登場人物みんなチャーミングな面が描かれているので、愛らしく思っていただけたらうれしいですね。

「できれば振り回されたい」佐藤二朗と「振り回されたくない」橋本愛 すでに“いいバディ”

──役との共通点はありますか?

橋本:自分でも気づかないうちに役に影響を受けているのかもしれませんが、弱い立場に置かれている人に対して「寄り添いたい」という気持ちは、明日香との共通点だと思います。

あとは、粗雑に見えるけど、実はちゃんと周りの空気感を大切にしていたり、親しい人だけには自分をさらけ出したり、そういう点は役作りを深めなくても自然体で演じられるかなと思っています。

『夫婦別姓刑事』第1話より

──家での明日香は振り回すタイプとのことですが、橋本さんはいかがですか?

橋本:振り回すタイプかはわからないですが、どちらかと言うと、「振り回されたくない」とは思います(笑)。

佐藤:私は、できれば振り回されたい!

橋本:凸凹が一致しましたね。いいバディになるといいです(笑)。

──お互いが演じる役の好きなポイントを聞かせてください。

佐藤:明日香は過去の経験から、弱っている人を見ると寄り添わずにはいられなくなるし、ちゃんと魂を持った人。その反面、子どもみたいな夫を叱咤激励したり、楽しみながら泳がしたり、手のひらで転がす。そういう人なんですよね。

さっき橋本さんが「あまり深く役作りしなくても自然体で演じられるかもしれない」とおっしゃいましたが、本当にそうだと思うくらいぴったりの役柄です。

橋本:誠のいいところは、変なプライドがないところです。パートナーに振り回されることに対して、何も思わないと言いますか(笑)。そこはすごく魅力だなと思います。

『夫婦別姓刑事』第1話より

──刑事として誠を尊敬しているという話もありましたが、佐藤さんが演じる誠はカッコいい役になりそうですか?

橋本:なる感じがします。もともと佐藤さんはカッコいい方ですから。

佐藤:今の、ちゃんと書くように!

橋本:誠は亡くなった妻・皐月(清水美砂)への思い、娘・音花(月島琉衣)への愛情、新しいパートナーである明日香への愛情、そのどれも損なわずに抱ける人なんです。しっかりと愛情を表現できる人なので、純粋にカッコいいなと思います。

──本読みで実際にセリフを掛け合った感触はいかがですか?

佐藤:いいコンビネーションになる気がします。僕たちは性別も違うし、年齢も親子ほど離れているし、一般的にコメディのイメージがある僕と、クールビューティの橋本さん、何も共通点がないところが面白いですよね。セリフを掛け合って、「大丈夫だ」とより実感しました。

橋本:本当にすごく安心感を得た1日でした。

佐藤:いいね、総括!

橋本:本読みの段階から佐藤さんがいろいろなアイデアを提案してくださって。私はプランを考えつつ、相手の声を聞いてから現場で組み立てようという感じで本読みに臨みました。いざ始まると、佐藤さんの声を聞いた瞬間、その場に空間が広がったというか…シーンの背景が見えた気がしたんです。

どう動くのか、どんな表情を見せるのか、すごくいろいろなものが伝わってきて、「じゃあ、自分はこうしてみよう」と考えることができたので、本当にありがたい時間でした。

──すでにいい感触を得ている様子ですが、誠と明日香のバディとしての魅力をどう作り上げていくか、意気込みを聞かせてください。

佐藤:この作品の肝になるのは2人の関係性。2人の関係性でいかに視聴者の皆さんを魅了できるかが勝負だと思うので、橋本さんと一緒にステキなバディを作り上げられたらと思います。

橋本:佐藤さんの熟練のコメディ表現に、私がどれだけ乗っていけるか。とにかく頑張りつつ楽しんで、ステキな関係性を作っていけたらと思います。