片岡鶴太郎さんと鈴木拡樹さんが傑作ミステリーに挑みます。
世界的推理作家、アガサ・クリスティ没後50年となる今年、彼女が書いた最初の舞台戯曲にして唯一、名探偵ポアロが登場する舞台『ブラック・コーヒー』が上演されます。
名探偵ポアロこと、エルキュール・ポアロを演じるのは芸人、俳優、画家、プロボクサー、ヨギーと新たな表現の道を探求し続ける片岡鶴太郎さん。
ポアロの相棒、アーサー・ヘイスティングスに扮するのは、舞台『刀剣乱舞』シリーズや、ミュージカル『SPY×FAMILY』など、舞台を中心に圧倒的な存在感を放つ鈴木拡樹さん。
めざましmediaはW主演の片岡さんと鈴木さんにインタビュー。初共演への期待や作品にかける意気込みを聞きました。(前後編の前編)
片岡鶴太郎 70代に入った今だからこそ挑戦してみたい役柄
――出演が決まったときの心境を聞かせてください。
片岡:今作の演出家・野坂実さんが手がける「ノサカラボ」(※)に2023年に出演した際、うちのマネージャーとプロデューサーが食事をしながら「推理劇なら『名探偵ポアロ』なんかいいですね。そういえば、片岡がポアロ好きですよ」という会話で盛り上がったそうで。
(※)演出家・野坂実さんを中心に2021年より始動した、世界中にある名作ミステリーを舞台化、上演していく長期プロジェクト。片岡さんは『呪縛の家』(2023年)と『わが一高時代の犯罪』(2024年)に特別出演。
そこで私に「どうでしょうか?」というお話をいただき、「ぜひやってみたいです」とお返事して、いよいよこの春に実現する運びとなったしだいです。
ドラマ版でポアロを演じたデヴィッド・スーシェさんを私は長年にわたって尊敬してきましたから「じゃあ、どのようなポアロを演じたらいいのだろうか」と考えつつ、スーシェのいいところと私の持ち味を融合させながら演じていきたいと思っております。
鈴木:僕自身はこれまでミステリー作品とあまりご縁がなかったので、このような作品、しかも、ミステリーの女王と呼ばれるアガサ・クリスティさんの戯曲に挑む機会をいただけたことにワクワクしました。これを機にミステリーの世界にハマるのではないかなという予感がしています。
――スーシェ版『名探偵ポアロ』の魅力をどのあたりに感じていますか?
片岡:ポアロってこういう人だったんだろうなぁというイメージを実にうまく具現化なさっていますよね。役者さんとしての魅力は引きの演技というのかな。セリフをしゃべっていないとき、誰かのセリフを聞いているときの目の動きや表情、“静なポワロ”が大好きです。
スーシェの当たり役として有名なポアロは、知的で静かな炎を常に内側に秘め、年齢を重ねた大人ならではの魅力、色気、温かさ、哀愁をもった人物。私は昨年末に71歳になりましたが、70代になったからこそ挑戦してみたい作品、役柄です。
――過去には日本のポアロともいえる『横溝正史シリーズ』の金田一耕助を演じた経験もありますね。
片岡: 耕助は30〜40代という設定で、ボサボサ頭を掻きながら下駄で勢いよく走り回るなど身体を使った動きが多く、どこか動物的な勘で嗅ぎまわるような一面をもち、一方のポアロは匂いを感じとってもすぐには動かず、腰を下ろして冷静に思考を巡らせるタイプ。
だけど、ポアロは時にコミカルで、時にリズミカルな表情を見せる人間的な厚みのある人物ですので、その振れ幅を巧みに演じられたら、より面白くなるのではないかと思いました。
