憧れのキャラクター・名探偵ポアロに扮する片岡さんとタッグを組むのは、和洋を問わず作品の世界観にナチュラルにとけ込み、繊細な演技で観客を惹きつける鈴木さん。大先輩との共演にどのような思いで臨むのかを尋ねると…。

鈴木拡樹 ポアロとの関係性を読み解いていくことがとても楽しい

――お二人は今回が初共演となりますが、共演にあたっての心境を聞かせてください。

片岡:お会いするのは食事会、ビジュアル撮影を経て、今日が3回目です。出会いからまだ日は浅いですが、これから稽古を重ねていくうちにコンビ性ができ上がっていくことを楽しみにしております。

鈴木:食事会で初めてお会いしたとき、鶴太郎さんのとても温かいお人柄にふれて、ほっとしたことをよく覚えています。

ビジュアル撮影で再びお会いした際には、鶴太郎さんが「ヘイスティングス大尉、モナミ(※)」と親しみを込めて呼んでくださったことが嬉しくて、すでに“ポアロそのもの”だと感激しました。

(※)フランス語で“親しい友人”の意。ポアロはヘイスティングスをよくこう呼ぶ。

その後、改めて『ブラック・コーヒー』の戯曲を読ませていただいたのですが、鶴太郎さんのまなざしや、かけていただいた言葉を思い返しながらページをめくっていきました。

――稽古を通して二人の関係性はさらに色濃くなっていくのでしょうね。

片岡:協力して謎を解明していく相棒ですからね。シリアスな中にコミカルな場面も入ってきますので、そこは野坂さんや鈴木さんと相談しながらお芝居を作っていきたいです。

鈴木:ポアロとヘイスティングスは長年の親交があり、いわば“バディ”の間柄。その関係性は、ドラマ版でヘイスティングスがポアロに向ける視線や、ふとした態度の端々に自然とにじみ出ているように感じました。

ただ寄り添うだけではなく、ポアロが口にする“灰色の脳細胞”によって突然ひらめく瞬間を、ヘイスティングスは何度も目の当たりにしてきたからこそ、彼はポアロを心から尊敬しているのだと思います。

ポアロが何気なく話しているときでさえ、ヘイスティングスはその言葉を追うように視線を向けている。そのひとつひとつの仕草に、彼の深い敬意と揺るぎない信頼が表れている気がします。そうした関係の機微を読み解いていくのが、とても楽しいです。